横川軽井沢間の改善に向けた要望書を提出(2001年9月9日)

提出機関
長野県庁、群馬県庁、信濃毎日新聞、上毛新聞

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長野県知事
     田中康夫 様



                      要      望      書




                            全国鉄道利用者会議
                            代表 武田泉
                            関東支部長 清水孝彰


 
        横川〜軽井沢間の運行形態の見直しについて

<要望趣旨>

 時下、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
さて、長野県においては信越本線を引き継いだしなの鉄道における経営努力に敬意を 表します。
しかし、また一方で廃止バス転換された横川〜軽井沢間の運行について、特に繁忙期に おいて、現状では満足した輸送量や定時運行を確保できていない状況も散見されてお り、心配された輸送力不足が今日でも報告されることは遺憾に思います。
 そもそも、横川〜軽井沢間の廃止バス転換は横川〜軽井沢間の予想輸送量を普通列 車のみと計算したところに大きな誤算があります。実際は市民団体等が予測した通り、特急 列車利用者の全てが新幹線輸送に切り替わっていないことは今日でも明らかなことです。
 実際の例では今年8月23日軽井沢発16時横川行きの場合は積み残しを一名出 し、さらに乗車した乗客も補助椅子にすら座れない状況にさらされました。碓氷峠の 勾配や道路交通を考えた場合立ち席での運行は非常に危険を伴うものと考えます。

今後環境重視社会や高齢化社会になるわけで、今まで以上に公共交通の役割が増してく ることは充分予測されます。環境にやさしい大量輸送機関の鉄道に大きな期待をもつ ものです。その意味において公共交通の衰退や利便性の悪化により、利用者が公共交通 離れを引き起こすことは危惧しなくてはならないことと考えます。

昨今のクルマ社会に押されがちな公共交通の復権を願い、我々は下記の項目について 抜本的な改善が必要と考えます。
 なお回答は10月31日までに  武田宛御願いします。
※不明な点については武田宛お問い合わせください。

                    記

1 横川〜軽井沢間のバス輸送について度々輸送力増強の必要性が指摘されているが 現状で充分なものと考えているか。また信越本線の代替輸送の基本データを普通列車 のみとしたことについて県としての見解をお聞かせ願いたい。

2 横川〜軽井沢間の碓氷峠越えでは立ったままの移動どころか乗客は全員シートベ ルト着用したほうがよい道路事情である。その輸送に立ち客が存在することに県とし ていかに考えるかをお聞かせください。

3 8月23日の件については現場の運転手は何とかしたいという対応を取っていた が結局は詰め込みを図った。しかし、毎年の輸送データー等で繁忙期の輸送力不足は明ら かであるが、この日のJRバスの対応や体制に問題はなかったか。またあるとすれば具 体的な改善策をどのように考えるのか。

4 横川軽井沢間に鉄路復活という意見がある。実際6%の勾配を補助機関車無しで 登る技術は確立している(箱根登山鉄道)が、廃止後5年経ち復活の余地はあると考 えるか(運営形態はJRにこだわらないものとして)。

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群馬県から御回答を頂きました。

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                         平成13年10月25日
全国鉄道利用者会議
 代表 武田 泉 様

                        群馬県企画部交通政策課長


        横川〜軽井沢間の輸送形態の見直しについて(回答)

 本県の交通事情に深いご理解をいただいておりますことに感謝申し上げます。
 さて、平成13年9月9日に電子メールにおいて要望いただきました事項に対する回
答を別紙のとおりとりまとめましたので通知します。
 なお、信越本線横川・軽井沢間の廃止につきましては、本県は一貫して反対の姿
勢を貫いたものであり、バス転換は廃止決定後の代替交通手段として苦渋の選択を
迫られたものであることをご理解いただきたいと思います。
 今後も、本県の交通政策に対しまして提言を頂けますよう衷心からお願い申し上げ
ます。

                      事務担当:地域交通グループ 佐藤



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  (別紙)回答書

1. 横川・軽井沢間のバス輸送については、信越本線横川・軽井沢間の廃止に伴う
  措置として、JR東日本・旧運輸省・長野県・群馬県が構成員となった横川・軽井
  沢間代替輸送協議会において決定した事項であります。
   当初は、バスの運行本数も1日につき7往復とご指摘のとおり普通列車の本数
  と同数ということで輸送力については若干少ないという危惧は持っておりました。
   実際に運行を始めてみたところ利用者は予想よりも相当多く、ご指摘のとおり横
  川駅で1時間以上乗車をお待ちいただかなければならない状況があったことなども
    JRバス関東から聞いております。
   これらのこともあり、JRバス関東も平成10年12月からは12.5往復に
    増回するなどの努力を行っており、積み残し等の情報はその後聞いておりませんでした。
   ただし、利用者数は平成10年をピークに減少傾向にあり、これを反映するかの
  ように平成12年12月から8往復に減便されるといった事態も発生しており、
    県としても、運行事業者であるJRバス関東に対し、積み残しを行わないことなどを
    依頼するなどの 努力を今後も継続的に行っていきます。
   本年8月23日に発生したとされる軽井沢発16時横川行きのバスの件について
  は、今後このようなことが無いようJRバス関東に再度依頼します。
   なお、輸送量のデータについては、普通列車に限らず優等列車の利用者数も含
  めて算定した数字で調査を行っていることを申し添えます。

2. 国道18号については、碓氷バイパス経由及び旧道経由の2系統が存在します
  が、ご指摘のとおり特に旧道経由については、カーブが多く、安全確保には充分な
  注意が必要とされることと思われます。
   県としては、路線バスの定員数や安全確保についての権限がありませんが、
    ご指摘の趣旨をJRバス関東及び国土交通省あてにお伝えします。

3. 毎年、夏季については観光客の増加などにより増発をかけていると聞いています。
    平成11年にも積み残しがあったとの情報があり、JRバス関東に確認したところ、
    1名について乗せきれずに、小諸からバスを回した関係で1時間ほど乗車が遅れた
    との確認がとれており、その時点でも今後このような事態の無いように依頼して
    きたところです。
   予備車両の確保等について、県としてもJRバス関東に対して再度依頼していき
  ます。

4. 横川・軽井沢間の鉄路復活の件については、一部では保存鉄道方式での復活
  などの議論がされているようですが、経費負担の面で大きな課題があります。
   平成5年度に県で実施した鉄道成立可能性調査においても、箱根登山鉄道も視
  野に入れてきましたが、6%を超える勾配を持つ当該路線の安全対策については
  多額の費用を要すことが明らかです。また、この調査結果によれば、地域開発等
  で需要が増加したことも含め検討しても、年間2億6千万円程度の経常赤字が発
  生するため、これを補填する基金として57億円が必要との試算が出ています。
   現在では、預金利子の大幅な低下から、さらに厳しい状況にあることが明かであ
  り、本県を主体とした鉄路復活の考えは残念ですが今のところありません。


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