2003年9月22日
国土交通省政策統括官付政策評価官室パブリックコメント担当御中
意見:
今回、主として我々が取り組んでいる「鉄道」について、提示された国土交通省の案
への追加・変更が必要と考える点について指摘していきたい。
1.「活力 政策目標20の85、86」の後ろに「都市鉄道や地域鉄道における着席率(快適 性)」の指標を追加。
理由:三大都市圏をはじめ地方都市圏でも、車両の短編成化、ロングシート化等によ り、座席定員が減少し、同時にワンマン化やデッキの撤去による車内温度の適切な保持 がしにくくなる、等の事業者による効率化・合理化が過度に進むと、快適性の点でマイ カーからの転換が困難となる。事業者の採算性については、投資の抑制ではなく、別の 公共政策的観点から考えるべきであり、「着席率」を指標として取り上げることは先進 国として当然のことであり、もはや後ろ向きの施策を取るべきではない段階に来ている ことを、国土交通省として是非ともご認識いただきたい。またこれらは「くらしの政策 目標2のバリアフリー」の観点からも重要であり、健常者であっても高齢化が今後進む 中で、「着席率」の指標化はきわめて重要と考えるものである。
2.「政策目標21の91」の前に「地方鉄道の維持と活用、改良のための制度・政策の変更 と社会的価値の把握」を追加。
理由:本年になって運輸政策研究機構による「地方鉄道についての検討会」が設置さ れ、当会においても意見を提出したが、地方鉄道については、ただ採算が取れないから 廃止というのではなく、まずは地域にとって社会資本としての有用性や存在価値を十分 に把握することが肝要である。そのためには、必要ならば費用便益分析をはじめとする 適切な評価手法によって地方鉄道路線を評価することが必要である。また仮に支援が必 要というなら、利用者・地元自治体・国の役割を明確化すると同時に、上下分離や技術 支援、財源の確保等をはじめ、必要ならば現行の鉄道事業法や軌道法の抜本的見直しも 視野に、政策を根本から見直す必要がある。とりわけ「安全の政策目標9の45の地方中 小鉄道におけるATS設置率」の指標については、安全検査後の改善への補助制度等の財 源が無い中で行っていくことは、単に既存路線を廃止に追い込むのみであり、本末転倒 である。また地方においても、道路・鉄道等について輸送シェアに応じた財源の確保を すべきであり、鉄道局による現行の近代化補助等では全く不十分といわざるを得ない。 また「政策目標20都市鉄道」と「政策目標21地方交通確保」の中間形態もありうるので 、適切な項目として纏めなおす必要がある。
3.「環境の政策目標12 地球環境保全」に「旅客・貨物にわたる広範な鉄道利用の促進 とTDM施策の推進」を追加
理由:温暖化対策でその最大の増加要因は運輸部門の自動車であり、オルタナティブ としての鉄道の活用は極めて重要にも拘らず、実際の政策レベルではその取り上げ方が 極めて低調である。TDM施策の推進の上でも、また環境行動意識の醸成の面でも、鉄道 を中心とする公共交通活用の意識の醸成することは極めて大切であり、具体的指標化が 必須と考える。
4.「政策目標26 消費者利益の保護」に運輸事業者による運輸条件の変更について、事 前の説明やパブリックコメント等の意見聴取の義務付けを追加する。
理由:従来、運賃改定以外の企画乗車券の変更、ダイヤ改正の情報は、1か月前程度 に前触れ無く一方的に事業者から告知されるであり、仮に改悪の場合は旅客に不信感を 与えるのみならず、その交通機関から離れるような事態を巻き起こしていた。このよう な条項は消費者保護の観点から必要不可欠である。
5. 2で述べた都市鉄道/地方鉄道に共通する課題として、連続立体化事業(都市局街路事 業)の評価を、都市側の指標のみならず、鉄道利用者の観点から、広域的な利用者の計 画策定への参画や、鉄道施設の抜本的更新による輸送改善について指標化すべきである。
理由:従来は踏切の渋滞解消や市街地の一体化等の都市側の改善ばかりが評価され、 他方広域的な鉄道利用者の参画や利用者にとっての輸送改善については、事業採択では 軽視されていたばかりか、巨額な投資が単なる機能補償工事に終わり、鉄道旅客輸送の 改善に寄与しない(例:旭川限度額立体化工事のような回送列車のための電化工事)工 事が実施されたりして、折角の工事が台無しになっている。このような内容を「政策目 標20」にでも追加していただきたい。
以上
「国土交通省の政策評価に係る政策目標、業績指標(変更案)」のパブリックコメントの募集結果について
国土交通省では、平成15年8月27日から平成15年9月22日までの期間において、「国土交通省の政策評価に係る政策目標、業績指標(変更案)」のパブリックコメントの募集を行いました。その結果、6件の御意見を頂きました。 頂いた御意見の概要及び国土交通省の考え方を下記のとおりとりまとめましたので、公表いたします。
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「国土交通省の政策評価に係る政策目標、業績指標(変更案)」に関するご意見と それに対する国土交通省の考え方
(頂いた御意見)
「政策目標24 公正で競争的な市場環境の整備 (105) 公共工事入札契約適正化指針に基づく主な措置状況」について、競争的な市場環境を早急に構築するために、 国土交通省直轄工事のみを対象とするのではなく、設計・コンサルタント業務等も対象にすべきである。
(国土交通省の考え方)
公共工事入札契約適正化指針は、建設工事を対象としています。御指摘の設計・コンサルタント業務等の取扱いについては、今後の検討課題であると考えています。
(頂いた御意見)
「政策目標20 都市交通の快適性・利便性の向上」に、「都市鉄道や「地域鉄道における着席率」(快適性)」の指標を追加すべきである。
(国土交通省の考え方)
座席数等については、車椅子スペースの採用及び鉄道車両の使用実態等の多様化に伴い、それぞれの線区の状況、利用者ニーズ等を考慮し、各鉄道事業者の判断に委ねることが適当であるため、指標化することは困難であると考えています。
(頂いた御意見)
「政策目標21 地域交通確保」に、「地方鉄道の維持と活用、改良のための制度・政策の変更と社会的価値の把握」を追加すべきである。
(国土交通省の考え方)
地方鉄道については、第一義的には鉄道事業者の経営努力及び地域の選択・支援によって維持・安定化を図っていくべきであるため、指標化することは困難であると考えています。
(頂いた御意見)
「政策目標12 地球環境保全」に、「旅客・貨物にわたる広範な鉄道利用の促進」を追加すべきである。
(国土交通省の考え方)
鉄道利用を促進することで、地球環境保全を推進することは極めて重要であると考えており、貨物鉄道の利用促進については、モーダルシフト化の指標を設けているところです。旅客鉄道等公共交通機関の利用促進については、現在、施策の効果の評価手法について検討中であり、今後、指標化に向け、さらに検討を進めていきたいと考えています。
(頂いた御意見)
「政策目標26 消費者利益の保護」に、「運輸事業者による運輸条件の変更について、事前の説明やパブリックコメント等の意見聴取の義務を付ける」を追加すべきである。
(国土交通省の考え方)
現在、各民間事業者において、意見聴取に関してインターネット等を使用した機会を設けています。
(頂いた御意見)
鉄道利用者の観点から、広域的な利用者の計画策定への参画や、鉄道施設の抜本的更新による輸送改善について指標化すべきである。
(国土交通省の考え方)
鉄道利用者の観点から、広域的な利用者の計画策定への参画や、鉄道施設の抜本的更新による輸送改善については、第一義的には鉄道事業者の経営努力等により改善を図っていくものであるため、指標化することは困難であると考えています。