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(1)公共料金の情報公開について改善してほしい点
具体的分野名 鉄道運賃
具体的内容
1.企画きっぷ改廃の情報公開について
<事例>
・2001年11月2日、JR東日本は「おとくなきっぷ 使いやすく&わかりやすく計
画」なるプレスリリースを発表し、40種類にも及ぶ特別企画乗車券(企画きっぷ、
いわゆる「おとくなきっぷ」)を11月末日付で一度に廃止(区間廃止・効力低下含
む)すると発表した。しかしこの段階では一般に情報は知れておらず、廃止される
きっぷ名が具体化して利用者への周知(駅ポスターやパンフレットによる)が始
まったのは、11月中旬である。また、鉄道利用者の重要な情報源である時刻表に
至っては、11月20日発行の12月号でようやく明らかになり、実質10日程度の告知で
廃止されたことを意味する。
廃止されたきっぷには、「スーパーホリデーパス」「奥多摩・秋川自由乗車券」
「東京自由乗車券」「かいじきっぷ」のような、売れ筋のロングセラーが多数含ま
れていた。しかも「スーパーホリデーパス」に至っては、八王子支社のホームペー
ジで「平成14年3月末まで」発売するとの宣伝が11月下旬まで流されており、本社
と支社で矛盾した情報を流していたことになる。
・2002年9月末日付けで、多数の「周遊きっぷ」の廃止、また、ゾーンの縮小が行
われた。本件について、JRグループ各社のプレスリリースによれば、「需要が少
ない」ことが主たる理由とされている。
「周遊券」が「周遊きっぷ」に大改訂された時に、告知不十分のまま突如として
強行された周遊券大改訂には、鉄道利用者から抗議の声と共に、周遊きっぷの利用
条件の改善に向けた提案等も多数あった。にもかかわらず、JR東日本をはじめと
する事業者はこれらの意見を採り入れることなく、周遊きっぷの利用条件は一向に
改善されなかった。
・鉄道運賃は、正規運賃・料金の改定のみが鉄道事業法で「上限認可制」となって
おり、企画きっぷの改廃は事業者任せとされてきた。上記2事例は最近の顕著な事
例である。しかし、鉄道利用者、とりわけ長距離利用者は企画きっぷに依存するこ
とが多いため、企画きっぷの改廃が事前の告知期間もなく代替となる商品のないま
ま一方的に行われていることは、利用者の交通手段の選択、行動に大きな影響を与
えている。
<改善要望>
・企画きっぷの発売に当たっては、発売期間・有効期間(開始〜終了)があるもの
は予め周知し、突然の廃止を回避していただきたい。一度有効期間を明示した企画
切符を突然に廃止することは、契約違反であり認められない。
・発売期間・有効期間を明示せずに発売を長期間続けた企画きっぷを廃止(区間廃
止・効力低下含む)する際には、検討段階から、改廃予定日・改廃内容・需要等の
根拠資料を公開し、パブリックコメントを行っていただきたい。また、運賃・料金
改定に準じた、87日以上の事前告知を義務づけていただきたい。
・JR各社には、今後も廃止・見直しを検討中の企画きっぷが多数あるものと聞い
ている。これらについては、その検討内容を情報公開し、利用者の意見を聴取して
いただきたい。
・鉄道利用者の重要な情報源は、毎月発行の時刻表であるため、情報提供手段とし
て、時刻表を最重点に置いていただきたい。
・情報提供手段の1つであるパンフレットやホームページについては正確性を期
し、本社と支社で矛盾する情報が流れることのないように監視をお願いしたい。
2.事業者間の乗継運賃の情報公開について
<事例>
・2002年12月1日、東北新幹線の並行在来線として、いわて銀河鉄道(IGR)と
青い森鉄道が開業した。八戸の中心街はJR本八戸駅付近にあり、三戸・二戸方面
から本八戸へ通勤・通学する利用者が多いことから、これらの利用者は2社あるい
は3社ごとに別々の運賃を徴収されることが原因で、定期代が2倍近くに跳ね上が
る事態が生じてしまった。
青い森鉄道からJR八戸線へ乗り継いで三戸駅から本八戸駅まで通学する場合を
例に取ると、1ヶ月定期券はこれまでの7,470円から14,910円と約2倍以上に激
変、通学生を持つ親たちから不満の声が高まっている。三戸町では、八戸市などに
列車通学する生徒に定期代の半額を無利子で貸し付ける条例まで制定されるに至っ
た。
<改善要望>
・鉄道事業の開始、事業の譲渡譲受等で異なる事業者が参入する場合に、地元での
意思決定段階から運賃の予測を公開し、開業後になって初めて利用者が値段を知る
といったことを防いでいただきたい。
・事業者毎の運賃のみならず、事業者間の乗継運賃が新たに設定される場合にも、
87日以上の事前告知とパブリックコメントを行っていただきたい。
・公共交通の機能向上、地域毎のネットワーク化による公共交通活性化を推進する
上で、ゾーン運賃や共通運賃の制度を整備していくことが必要がある。事業者毎の
運賃決定原則だけでなく、ネットワークとしてのゾーン運賃という体系を公共料金
論議に是非盛り込むべきで、盛り込めないならその理由を情報公開していただきた
い。
・なお、JR東日本・IGR・青い森鉄道間の運賃の乗継割引については、断片的
な新聞報道として、各社接続駅から数駅に割引が限定され、その割引についてもJ
R東日本側の意向として次回の運賃改定後は中止する旨のことが書かれている。長
野県のしなの鉄道も同様であるが、新幹線並行在来線の分離移管後の3セク鉄道と
JR線との運賃が、ごく一部を除いて初乗り運賃を2度以上支払うことになる「併
算」運賃となり、かなり割高となっている。このことは前述の八戸付近での通勤・
通学の事例を見るまでもなく非常に問題であり、かつ以前は1社で通算していたの
に一夜にして事実上大幅な値上げとなることは利用者感情として承服できない。こ
のようなJRと転換並行在来線とにおける運賃の「併算制」化は、全く法令上根拠
がなく、不当である。代替案として、「擬制キロ」や「追加加算運賃」他の活用を
含めた境界駅での大幅な値上げを解消するような方策を積極的に採るように、内閣
府の消費者行政当局として国土交通省鉄道局業務課や各事業者(特にJR各社)に勧
告や指導ができるようにしていただきたい。
3.事業者間の異なる経路を通過する場合の利用制限について
<事例>
東京等の地下鉄と郊外私鉄線が直通運転をしていて、接続駅が複数ある場合、乗
車券・定期券他に関わらず、表示当該会社経由しか認めないケースが発生した(例
;営団有楽町線方面から、池袋経由で東武東上線又は西武池袋線方面へ通過する場
合の池袋乗換えか地下鉄直通経由かのケース、小田急線方面から都心部営団地下鉄
線へを新宿乗換えか代々木上原乗換えかのケース他。両者とも一方はラッチなしで
直通、一方はラッチ有りで始発電車が有り)。こうした場合を厳格に識別して各社
ごとの収入を確保すべく、自動改札・パスネット導入後に各社はラッチ通過情報を
識別するようになった。ただこのような場合、利用者感情としては「通勤地獄の混
雑」とされる東京圏での通勤事情から少しでも自衛しようと、行きは地下鉄直通列
車、帰りは始発列車を利用したいというささやかな願いがあったものの、不可能と
なってしまった。
<改善要望>
・この背景には、鉄道相互乗り入れの計画策定が、各事業者の「思惑」が優先され
て密室で決定されてきたという歴史を有すること、国土交通省鉄道局業務課の対応
が「各社の採算や経営効率性の重視」に重きをおくあまり、「共通(ゾーン)運賃
制」や「運輸連合」のような、欧州他での利用者の立場に立脚した公共交通政策を
採ろうとしないという、かたくなな姿勢が見え隠れしている。こうした点について
も、来るべき環境重視社会への移行も鑑み貴内閣府消費者行政部局として、勧告・
指導を含む強力な政策を実施していただきたい。
4.東京圏の別体系運賃制度について
(営団・都営地下鉄間、都営線から羽田/成田空港への場合、カード使用時のJR・
私鉄間)
<事例>
・第一に東京では、歴史的事情により地下鉄整備を営団と都営の両社で行ってきた
ため、若干の割引はあるものの別体系の運賃制度であり、ラッチを越えてのは初乗
り運賃を二重に支払うことを余儀なくされ、割高となっている。この結果、物理的
にわずらわしいばかりでなく、営団利用者は路線密度が粗い都営線を敢えて避けて
利用する傾向があるなど、新規地下鉄整備が十分活用されないことを人為的に創出
していて、甚だ「不当」な状況が続いている。こうしたこともあって、営団との乗
換駅が多数存在する都営大江戸線の輸送人員が予想を大幅に下回るなどの大きな影
響を生じさせている。
・第二に、直接改札口に入れられるカードにおいても、JR系と私鉄系に分かれてお
り、利用者はその2つを使い分けなければならない等、の不便を半永続的に強いら
れている。
・第三に、都営線〜京急羽田空港、京成成田空港の割引運賃がパスネットを直接入
れると適用できなかったり、上記のケースの前に営団線から乗車する場合割引が営
団〜都営間もしくは都営〜私鉄のどちらかとなっていて煩雑な状況にある。
<改善要望>
・このような複雑怪奇な運賃制度は、各社別というよりむしろ「共通運賃制度」や
「運輸連合」にして単純化すべきである。仮に、各社の取り分の算定等の課題を指
摘すると言うなら、国土交通省の道路局や都市局が実施しているような「社会実
験」を実施し、課題を整理すると言うことも考えられよう。こうした「社会実験」
が、今後鉄道局所管分野にも拡大するよう、所管省の担当課に強く勧告・指導して
いただきたい。
(2)公共料金の情報公開について優れていると思う点
(なし)
氏名・団体名
全国鉄道利用者会議 関東支部・東北支部・北陸支部 (連絡者)清水孝彰