花ごよみ 平成20年 12月 上旬
南天(なんてん)
早いものでとうとう12月。カレンダーも残り一枚に。
同時に野山の花も、まもなくしばらく冬眠を迎えます。
今日の花?は、梅雨の時期前に、真ん中が黄色の地味な白色の花を咲かせる、「南天」です。
名前の語呂合わせで「難を転ずる」の意味合いから、
何処のお宅でも、庭先にあるのでは?。
花よりも晩秋に付ける赤い実が薬効があり、実を乾燥
させたものは、「咳止め」の効能があり、葉には
「ナンジニン」という成分を含み、殺菌効果があります。
京都の金閣寺の床柱が、この材を使っていることは有名です。
南天の赤実の花言葉は、よき家庭です。

Date: 2008/12/01(月)
亀甲白熊(きっこうはぐま)
山の林の下に、ひっそりと咲いています。
葉の形が特徴的で、亀の甲羅に似ることから花名があります。
茎の高さは20cmほどで、小さな白い花を咲かせます。
この花の開花を見ると毎年、「今年もそろそろ山野草は、終わりかな」と、思う私です。
来年も新しい山野草の出会いを、心待つ私でもあります。

Date: 2008/12/02(火)

薮柑子(やぶこうじ)

境内に群生する、「薮柑子」の実です。
常緑の小低木で、初夏に白色の花が、数個ずつまとまって
下向きに花を咲かせます。
葉は光沢があり、地下茎で繁殖しつるには棘があります。
赤い実は一枝に2〜3個付けます。
古くから園芸化され、お正月の飾りにも使われます。
「柑」と名前が付きますが、小さな実を薮の中のミカンに
見立てたようです。
この時期赤い実を付ける植物は多く、一名を「十両」と
呼ばれます。
Date: 2008/12/03(水)

千両(せんりょう)
境内の林下の、半日陰地に植え込まれています。
「万両」とともに、特にお正月の生け花や寄せ植えなどに良く使われます。
常緑の低木で、冬でも葉が青々として、赤い実が暖かさを感じさせます。
初夏・・・梅雨の時期に、黄緑色の目立たない小さな花を、
枝先にまとまって付きます。
実は葉の根元に付け、赤い熟した実が付きます。
千両の実言葉は、富・財産です。

Date: 2008/12/04(木)
万両(まんりょう)
境内のところどころに、これが植え込まれています。
花期は盛夏の頃に、五弁の白い小さな花があつまり、
花房を作ります。
昨日の「千両」と良く似ていますが、こちらは下向きに
実を付け、容易に区別がつきます。
「千両」と「万両」の違いは、千両は実が上向きで、
鳥が食べやすく、万両は実が下向きで食べられにくく、その分、実がしっかり残るから・・・。
または、万両は垂れ下がり、千両は上向きに付くので、万両は重く、千両は軽い・・・と諸説あります。
そして「千両」は、センリョウ科、「万両」は、ヤブコウジ
科に属します。

Date: 2008/12/05(金)
公孫樹(いちょう)
「関東地方で、一番紅葉の遅い外房へ」が観光地の
チャチフレーズです。
当寺も12月になり、境内の木々がやっと紅葉してきました。3日間、境内の紅葉三題を・・・。
今日は「ギンナン」と秋の黄葉で親しまれている「公孫樹」を。
その起源は、化石から約四億八千万年前〜三億六千万年前の古生代といわれています。
中国原産の落葉高木で、昔、留学僧が持ち帰り広まり、ご存知のように雄木と雌木があり、雌木に俗に言う「ギンナン」の実がなります。
名前の「公」は祖父の尊称で、祖父が種子をまいても、実がなるのは孫の代になることから「公孫樹」と命名されたとか?。
花は四月頃、灰白色の目立たない花が咲きます。
今でも思いますが、公孫樹のオス・メスはどのように見分けるんでしょうか???。
東京都、神奈川県、大阪府の県木に指定されています。
Date: 2008/12/06(土)
満天星躑躅(どうだんつつじ)
境内の紅葉、第二弾・・・参道に植えられている「満天星躑躅」を。
春ゴールデンウィーク前後に、スズランに似た形の白色の花が下向きに開きます。
何でこれが躑躅なのと疑問がありますが、枝先に花が多く垂れ下がり、開花期には見応えがあります。
花にも負けないのが、秋から初冬にかけ、真っ赤に紅葉するその姿です。
参道に間をおき植えられ、丸く刈り込んであります。
境内にもう少し植え込みたい、花木の一つです。

Date: 2008/12/07(日)
紅葉(もみじ)
境内の紅葉第三弾。「紅葉(もみじ)」です。
紅葉といえば、まずこの名前が一番に出るのでは・・・?。
秋を彩る紅葉の樹木で、300種もの園芸品種が、江戸時代から作り出されています。
「楓(かえで)」と「紅葉(もみじ)」は植物分類上、
カエデ科カエデ属です。???。
楓の中で特に紅葉の美しい種類を「もみじ」と呼ぶ説があり、また、盆栽や造園業の世界では、葉の切れ込みの数、切れ込み具合によって、両者を呼び分けています。???。
・・・どちらにしても、紅葉狩りは秋の風物詩の代名詞になり、人々の目を楽しませてくれます。

Date: 2008/12/08(月)
蜜柑(みかん)
ビタミンCたっぷりの、蜜柑の中で代表的な品種です。
鹿児島県原産の果樹で、全国で栽培されています。
初夏に五弁の香りの良い、小さな白色の花を咲かせます。
これからの寒い時期、暖かなコタツで蜜柑・・・
日本人の定番ですね。
私も好きな果樹の一つです。
愛媛県の県花に指定されています。

Date: 2008/12/09(火)
痰切豆(たんきりまめ)
夏から秋にかけ、薄い黄色の花を咲かせます。
つる性の植物で、山裾から萱に巻きついています。
実は秋に赤く色づき、初冬に割れて黒い小さな実が出て、その時期には葉も冬枯れになり、赤と黒のコントラストに美しさがあります。
昔民間では、痰切効果があるとされていたが、真偽のほどは・・・残念ながら、効能はないようです。

Date: 2008/12/10(水)
柚子(ゆず)
中国原産のミカンの仲間で、暖地性の常緑小高木です。
5〜6月に、花蕊が黄色で、花弁が五枚の香りのある
白色の花を咲かせます。
晩秋から冬にかけ、凹凸のある黄色の実を付けます。
非常に香りが良く、鍋物や吸い物の香り付けにすると、良い香りが食欲をそそります。
生食は酸っぱさ感がありますが、我が家の子供達はおいしいと生食しています。
カンキツ類の中で、もっとも耐寒性が強く、ご存知冬至の日には、柚子湯で風流を満喫します。

Date: 2008/12/11(木)
万年青(おもと)
名前の通り、革質で光沢のある葉が冬でも枯れずに、
いつも青々としています。
耐寒性のある常緑宿根草で、5〜6月頃、白色の小花が咲き、秋に橙色の綺麗な実を付けます。
原産地は日本とも中国とも言われ、江戸時代にたくさん栽培され、現在では約1000品種があると言われます。
名前は「大本(おおもと)」・・・根茎が太く大きい
ことから、また大分県の「御許山(おもとやま)」で良質のオモトが産出することから由来しています。

Date: 2008/12/12(金)
ごんずい
新しい発見には、喜びがあります。
近くの共同墓地で偶然に、この実に遭遇。木全体が遠目でも赤く見えました。
5〜6月に円錐状の薄い黄緑色の集団小花を咲かせます。
果実は赤く熟し、裂けると光沢のある黒い種子が覗きます。
名前が豪快な花木ですが、役に立たない魚の「権瑞(ごんずい)」同様、材としては用途がないところからの命名です。
でも、実はなかなか見応えがありますよ。

Date: 2008/12/12(金)
金柑(きんかん)
中国南部原産の常緑低木です。
1826年、中国の商船が遠州灘(静岡県沖)で遭難し、
漂着した清水港に寄港した際に、船員が助けてくれた
地元の人に砂糖漬けの金柑果実をプレゼントし、その種が育ち、日本でも広まった。
花は夏から秋にかけ、香りの良い五弁の白色の花が咲きます。
実は丸ごと食べられ、また砂糖漬けや蜂蜜漬けなどにして食べられ、栄養の高い果物です。
「金柑のど飴」は、私の必需品です。
未確認ですが、虫刺されの「キンカン」はこの花木と関係があるのでしょうか???。

Date: 2008/12/14(日)
黒鉄黐(くろがねもち)
枝一杯に赤い実がなり、木全体が赤く見えます。
関東以西に分布するやや暖地性の常緑高木です。
葉は先が尖り、光沢があるタマゴ形です。
花期は5〜6月で、今年伸びた枝に、散らばるように
小さな淡い紫色の花を咲かせます。

Date: 2008/12/15(月)