花ごよみ 平成20年 4月 上旬
04-01(火) 豊後梅(ぶんごうめ)

桜の花に似ていますが、境内に咲く豊後梅の花です。
梅の花から一月ほど遅れ、開花します。
果樹として栽培される梅の一変種です。アンズと梅の間種という説もあるようで、果実も大きく熟すと黄赤色になります。
寺の境内は今、桜と豊後梅の競演です。
大分県の県花・県木に指定されています。
04-02(水) 土佐水木(とさみずき)

名前の通り、土佐(現在の高知県)の蛇紋岩地帯にのみ自生しています。
今では全国的に植栽されている、落葉低木です。
前年枝の葉の脇から、黄色の穂状の花を枝から4cmぐらいの長さに垂れ下げ花を咲かせます。
おしべの部分は茶色で、開花直後は赤い色をしています。
花後期に葉が出て、緑の濃い美しい葉が鑑賞できます。
花言葉は、清楚です。
04-03(木) 日向水木(ひゅうがみずき)

寺の先人である私の祖父が、植木が好きだったようで、境内には花の咲く花木がたくさんあります。
昨日の土佐水木に良く似ていますが、花房も短く全体的に丸い形をして、花を咲かせています。
土佐水木がまばらに花が咲くに対し、こちらは枝にたくさん黄色の花を咲かせます。
花の名前は、日向(現在の宮崎県)に多く植栽されているようです。
花言葉は、思いやりです。
04-04(金) 耳型天南星
     (みみがたてんなんしょう)

湿り気のある、日陰地や林下に開花するこの花?この植物?、
田舎にある当寺は、サトイモ科テンナンショウ属の宝庫です?。
でも春先にこの花に遭遇するのは、あまり得意ではない私です。
細長い茎で、花?が耳たぶ状になることから「耳型」の名前があります。
地下茎は漢方薬に使われるとか?。
この先、寺には蝮草(まむしぐさ)、浦島草(うらしまそう)等あまりお逢いしたくない植物が開花していきます。
耳型天南星の花言葉は、熱い恋慕・ほのかな想いです。
結構情熱的な花なんですね。
04-05(土) 姫榊(ひさかき)

寺では垣根として植え込まれている花木です。
黄白色の小さい花を枝に沿ってたくさん咲かせています。
花形は釣鐘型で下向きに咲きます。
雌雄異株で、秋から冬にかけ雌株の木に、黒紫色の実を付けます。
名前の通り、榊(さかき)の代用として神事に使われます。
04-06(日) 紅葉苺(もみじいちご)

木苺の仲間は種類が多く、日本全国の平地から山地まで広く自生し、日本には約40種類が自生しています。
甘味や実の大きさに優劣はありますが、毒をもつ種類はなく、試しに口に入れても安心です。
写真の木苺は、葉が紅葉に似ていることから、紅葉苺といわれる種類です。
葉腋に白い五弁の花を一つ付けます。
花後、初夏にオレンジがかった黄色い果実を付け、粒も大きく甘味があり、時期になると子供達と実を採取し食している我が家です。
ちなみに木苺の花言葉は、嫉妬・後悔・羨む・愛情・謙遜・尊重される・尊重・同情・憐れみ・不毛です。
04-07(月) 芝桜(しばざくら)

日だまりに淡いピンク色の花を咲かせています。
葉は芝生状に広がり、花は桜の花に似ています。
北アメリカ東部の原産で、地を這うように咲き、古くから石垣や広い斜面を彩る花として親しまれています。
葉が地面を覆い、土の流失を防ぐ役割をしてくれる頼もしい花です。
暑さや乾燥にも強く、土質もあまり選びません。
花言葉は、合意・一致・忍耐です。
04-08(火) 李・酢桃(すもも)

春の新葉に先駆け、梅や桜の花に似た、くっきりとした白い五弁の花を咲かせます。
枝全体に花を咲かせる風情は、雪が降ったような趣があります。
中国原産で、万葉集にも登場する古くから親しまれる、花木の一つです。
赤色で、果肉は黄色の実を盛夏の時期に付けます。
良く熟していても寺のこの実は、酸味があり、子供達もあまり好んで食べません。
花言葉は、忠実・困難です。
04-09(水) 破れ傘(やぶれがさ)

春の嵐・・・昨日は雨風強い当地でした。
風の影響で、今日の植物のようになった方もいるのでは?。
寺には破れた傘が、たくさんあります。(笑)。
杉林の下を好み、新芽の頃は傘をすぼめたようなユニークな姿です。
破れた形が見られるのは10日ほどで、その後平に
葉を大きく広げ、夏から秋にかけ、茎の上部に白色の小花を円錐、総状花序に咲かせます。
また、山菜としても食され、葉の開かない若芽を摘み、お浸し・和え物・酢の物・汁の味・テンプラ・炒め物として香りを楽しむことが出来ます。
04-10(木) 花桃(はなもも)

青い空にこの濃い色気が良く似合います。
木全体が濃い紅色に染まる花桃の花です。
果実の収穫を主にする桃に対して、花を鑑賞する品種が花桃です。
桃は古くから栽培され、昔話「桃太郎」の例のように、万葉の頃から霊力のある木として崇められてきました。
花桃の品種には、八重咲きの黒川矢口、菊咲きの菊桃のほか、枝が垂れるしだれ性や、ほうき立ちになるものなどがあります。
花言葉は、恋のとりこ・よい気立てです。
04-11(金) 猫柳(ねこやなぎ)

我が家の猫が、この木に止まっていました・・・嘘です。
猫の尾に似た花を咲かせています。
手触りのフワフワ感が心地良い花木です。
各地の水辺に生え、早春に花を咲かせる落葉樹小低木です。
花穂に黄色く見えるのが、雄花です。
地味な花ですが、庭木として親しまれている花です。
花言葉は、率直・自由・気ままです。
04-12(土) 糸水仙(いとすいせん)

初冬から花を楽しむことが出来る水仙。
花壇の一角に、茎の細い黄色の水仙が咲いています。
茎の細さが糸の如く・・・命名「糸水仙」です。
水仙は品種も多く、水仙の名前は中国から渡来したものです。
中国の文献に「仙人の天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙という」と述べたものがあります。
また水仙は全草に毒成分を含み、特に球根には多くのアルカロイドという有毒成分を含んでいます。
この成分は薬用として利用され、乳房炎に効果があるとか?。
水仙を食べると、胃腸炎をおこし、吐き気、頭痛、下痢などを催し、家畜が干草に混ざった葉を食べて中毒死した例もあるそうです。
美しい花には棘がある・・・の代表選手ですかね?。
糸水仙の花言葉は、思い出です。
04-13(日) 黒文字(くろもじ)

本州以南の低山に分布する落葉低木です。
お抹茶の席で、お菓子の楊枝に使われる「黒文字」の
花です。
新葉が出ると同時に、枝先に黄色の小さい花が開花します。
緑の葉が目立ち、花は地味ですが愛らしい花です。
幹や枝に暗緑色の黒斑点があり、ここから黒文字の名前が。
樹皮や枝、材には香気があり、若枝から精油をとり香料に使われます。
花言葉は、誠実で控えめです。(まるで私のような花言葉です)。???。
04-14(月) 通草・木通(あけび)

蔓を長く伸ばして、木に絡みつき生育しています。
秋に熟す実の方が馴染みがありますが、春先の花も見応えがあります。
花は淡い紫色で、玉状に見えるのが雄花、花を開かせているのが雌花です。
あけびは、手のひら形の葉が五枚の「あけび」と、縁が波状の葉をもつ「三つ葉あけび」に分類されます。
秋の実を生食できるのは有名ですが、果皮を炒め物に、新芽は和え物・お浸し・汁の実に利用されます。
花言葉は、才能・唯一の恋です。
04-15(火) 雲南黄梅(うんなんおうばい)

年々株も大きくなり、枝もたくさん出し、霊園のフェンスをまたぐように花を咲かせています。
原産地は中国西南部で、日本へは明治時代に渡来した常緑半つる性の低木です。
葉は3出複葉で対生、葉の開く前に花を咲かせます。
挿し芽、挿し木で簡単に増やせ、枝が枝垂れ黄色の大きい花は遠目からでも目立つ花木です。