花ごよみ 平成20年 3月 下旬
03-16(日) 胡瓜草(きゅうりぐさ)
春の野の花の中に、2〜3mmの小さな花が咲いています。
目を凝らさないと・・・見失ってしまいます。
花は淡い青色で、「勿忘草(わすれなぐさ)」にとても似ている花姿です。
葉や花を揉むと、キュウリの匂いに似ることから、この
名前があります。
日本全土に自生し、目を凝らして探して下さい。
必ず見つかるはずです。
03-17(月) 花韮(はなにら)

丈夫な植物です。寺では参道にこの花が咲いています。
メキシコからアルゼンチン原産で、茎や葉にはネギのような匂いがあります。
星のような可愛い花びらが特徴で、花壇に植え込まれますが、繁殖が非常に旺盛で、今では野生化したものもあります。
花色は、白色・淡青色・淡紫色とあり、先日直売場で黄色のこの花が売り出されていました。
まとまって咲くこの花は、控えめな可愛らしさがあります。
花言葉は、悲しい別れ・耐える愛・卑劣・恨み・星への願いです。
03-18(火) 樒(しきみ)
春の彼岸に入り、境内の掃除をしていると、良い香りが。
見上げると境内の樒の花が、木全体に咲いていました。
仏縁が深い樹木とされている常緑低木です。
花はサバサバ感のある、淡い黄色の花です。
樹皮や葉からは線香や抹香が作られます。初秋に実が熟しますが、花言葉の猛毒の如く、実は有毒のようです。
これを除けば、非常に神々しい・・・思わず手を合わせたくなる花です。
03-19(水) 柊南天(ひいらぎなんてん)
参道の日陰地に植え込まれ、咲き出した柊南天です。
日陰地でも咲く花は、大変重宝します。
中国原産で、17世紀頃日本に渡来し、庭木として広く
植えられています。
葡萄(ぶどう)のような匂いがする、小さめの黄色い花がたくさん咲きます。
葉は柊に似て、トゲトゲがあり、花後緑色の実を付けます。
花言葉は、予測・激しい感情です。
03-20(木) 野芥子(のげし)
別名を「春の野芥子」、早春から初秋まで長く花を咲かせ、身近にある野草です。
春到来の野草の花の一つです。
茎の上部の葉は柄がなく、左右にとがった突起が反対側までつき出て茎を抱いています。
葉は小さく、ギザギザがあり、花は黄色で、タンポポ
そっくりの花姿です。
若芽は苦味がありますが、食用にされます。
03-21(金) ヒマラヤ雪ノ下
大きな葉と、綺麗なピンク色の花が長く咲く、私の好きな花の一つです。
名前の通り、ヒマラヤ地方原産で、明治初期に渡来した花です。
暑さ寒さにも強い、常緑の多年草ですが、湿気は苦手
のようです。
何年たっても花姿が乱れないので、園芸品種として
人気があります。
寺の参道入口に植え込まれていますが、この花と「つわぶき」で埋めつくしたいのが、私の理想です。
花言葉は、適応・秘めた感情です。
03-22(土) 菫(すみれ)
田舎にある当寺、境内には菫がたくさん咲いています。
写真の菫は、植物の生命力を感じさせるところに咲いています。
玄関のひび割れから咲く菫、力強さを感じます。
菫は日本にも多く種類があり、世界中に分布する非常にポピュラーな花で、世界に数百種存在するようです。
花の名前は、大工道具の墨つぼ「墨入れ」に由来し、花の形が似ることからです。
紫色の菫の花言葉は、ささやかな幸せ・ひそかな愛・誠実・貞節・愛です。
03-23(日) 土筆(つくし)
春の彼岸も、今日が最終日。風のない暖かな一日でした。
春の日差しに、土手に土筆がべったり。
土筆はわらべ歌にも歌われている馴染み深い植物です。
また正確に言えば、大敵杉菜(すぎな)の胞子茎で、春が終わる頃細い杉菜が顔を出してきます。
土筆は山菜として堅いハカマを取り、テンプラや素焼きに。
灰汁(あく)抜きをして、和え物・油炒め・佃煮等にして
食します。春の到来を実感できる食物です。
花?言葉は、意外・驚き・向上心・努力です。
03-24(月) 寒緋桜(かんひざくら)

境内の「染井吉野(そめいよしの)」の桜もまもなく開花です。
桜は落葉高木で、園芸品種は400種以上あるとか?。
その数多い桜の中でも、この桜は先駆けとして開花し、鮮やかな濃いピンク色の花を下向きに咲かせます。
中国原産の早咲き種で、花の色が濃く、遠くからでも良く目立つ花です。
花言葉は、善行です。
03-25(火) 風信子(ひあしんす)

境内の参道脇に、4年前ほどこの花を植え込み、年々花の数を増やしています。
花の咲くこの時期、開花するのが楽しみな花の一つです。
植え込まれている花色も、青色・紫色・赤色・ピンク色と参道を賑やかに飾ってくれます。
ギリシャ神話で、太陽神アポロンに愛された美少年、
「ヒュアキントス」少年が、円盤が頭に当たり、血に染まった草の中から一本の花が咲いたのが・・・ヒアシンスだった・・・(な、アホな???。)
ギリシャ地方原産で、1863年フランスからチューリップとともに渡来した花です。
紫色の花言葉は、遊び・私は悲しいです。
03-26(水) 馬酔木(あせび)

「あしび」とも呼ばれる花です。
日本原産のツツジ科の常緑樹で、釣り鐘形の花が集まって咲く花です。
花色は、薄紅色と白色のものがあります。
字の如く、馬が食べると中毒により酔ったようになることからの花の命名です。(今度一度試してみましょう。)
綺麗な花の樹木ですが、茎葉に「アセボチン」という
有毒成分があり、口にしないように!!。
この成分を利用し、葉を煎じたものは殺虫剤に活用されます。
花言葉は、犠牲・献身です。
03-27(木) 桜(さくら)

3日間、比叡山に行ってきました。
出掛ける前は蕾だった桜が、帰ると3分咲きに。
古代から親しまれてきた、日本原産の代表的な花木で、花見と言えば、まずこの桜を思い出すのでは・・・。
境内に咲く桜は、「染井吉野(そめいよしの)」で、薄い
ピンク色の花です。
染井吉野は、「大島桜」と「江戸彼岸」の雑種で、明治時代に品種名がつき、現在では数多い桜の中でも、代表格になっています。
染井吉野の花言葉は、優れた美人です。
03-28(金) 木五倍子(きぶし)

道すがら山裾にこの花が目に留まります。
花色は黄色で、小さな花が枝から縦長に垂れ下がります。
この花を見ると、居酒屋さんの縄暖簾を想像してしまいます。
幹は直立し、木全体に花が咲くと、非常に見応えがある花木です。
雌雄異株で、雌株に付く果実は、初め緑色の丸形果で、熟すと黄色になります。
・・・そろそろ一杯やりますか?。
花言葉は、持ち合わせ・出会い・嘘です。
03-29(土) 雪柳(ゆきやなぎ)

寺にある雪柳は、ピンク雪柳です。
一般的には白色のこの花を多く見かけます。
満開期には、まるで雪が積もったような、また白い噴水の如き花を咲かせます。
群落を作り植え込まれている場所は、見事な景観をなしています。
日当たり地を好みますが、日陰でも十分成育し、年々株を大きくし、素晴らしい眺めの花になります。
花言葉は、愛らしさ・懸命・殊勝・静かな思いです。
03-30(日) 鈴蘭水仙(すずらんずいせん)

鈴蘭のような、水仙のような・・・。
ネーミングの良い花ですね。
地中海沿岸原産の花で、花は垂れ下がり、花の縁の緑のワンポイントが可愛い花です。
生育旺盛で、冬は日が当たり、夏は日陰になる落葉樹の林下の地植えが好適のようです。
花言葉は、慈愛・純潔・純粋・汚れなき心・清純・美です。
03-31(月) 連翹(れんぎょう)

木全体が黄色に染まり、暖かみのある花木です。
中国原産の落葉低木で、庭木としても人気の高い花で、草花との混植や、生け垣にも利用されます。
春先に葉が出る前に、花を咲かせます。
その分、黄色の花が一際目立つんですね。春先の花は黄色の花が多く、体も心も春到来を感じさせてくれます。
花言葉は、希望・希望の実現・豊かな希望です。