花ごよみ 平成19年 11月 上旬
11-01(木) 一位(いちい)
岐阜県の県木でもある、一位の木です。
山地から亜高山帯に分布する常緑高木で、直立し20mにもなります。
庭の生け垣にも利用される木です。
名は昔、一位の位の高官が持つ笏(しゃく)を作った
ことからこの名前があります。
初秋に果実は赤く熟し甘味のある味わいですが、黒い種は有毒のようです。
材は彫刻・建築・家具などに用い、心材から暗赤色の染料を採ります。
11-02(金) 石蕗(つわぶき)
寺の境内、参道に植え込まれています。
日陰でも良く育ち、濃い緑の光沢ある丸い葉が特徴で、花の無い時期でも、緑鮮やかな葉が印象的です。
キク科の花で、黄色の花色と葉の緑がマッチした花です。
若い葉を佃煮にしたものを「きゃらぶき」と言い九州の
名産の一つでもあります。
花言葉は、困難に傷つけられない・愛をよみがえれ・謙遜・謙譲・先を見通す能力です。
11-03(土) 烏瓜(からすうり)

真夏の夜の芸術的な花を咲かせる「烏瓜」も、秋には
赤く熟した遠目にも目立つ実を付けます。
話は戻りますが、夏の夜遅くレース状の花を見た人は、感動の声を発するのでは・・・私がそうでした。
赤い果実は、食べられれば申し分ないのですが、
悲しいかな烏の餌になってしまいます。
この中には無数の黒い種があり、その形が打ち出の小槌に似ているというので,財布の中に入れておくとお金が貯まると
言われています・・・本当かな???。
・・・こっそりやってみようかと思っている私です。
11-04(日) 箒木(ほうきぎ)

春の桜前線は南から、秋の紅葉前線は北から、今頃どの辺でしょうか?。
この植物も今、紅葉の真っ盛り。盛夏に淡緑色の小さな五弁の花を咲かせますが、あまり目立ちません。
南ヨーロッパ地方が原産で、中国より渡来、1000年の栽培歴史があるようです。
茎が枝分かれし、全体にこんもり丸くまとまる草姿です。
実は「とんぶり」と呼ばれ、薬用、食用になります。
その昔茎を乾燥させ、箒として利用したようです。
確かに逆さにすると箒の出来上がりですね。(笑)。
花言葉は、私は貴方にうちあけます・恵まれた生活です。
11-05(月) 姫蔓蕎麦(ひめつるそば)

一昨年貰い受けた、この花が成長し随分勢力範囲を広げてきました。
ヒマラヤ地方原産の原産で、ピンク色の小さな花が球形に集まって咲きます。
明治中期に渡来し、繁殖力も旺盛で、庭に良く植えられています。温暖の当地では四季を通じ咲いているイメージがありますが、まもなく冬到来の花のなくなる時期には一際目立つ花の一つです。
葉に黒い縞模様が入るのもユニークですね。
花言葉は、愛らしい・気が利くです。
11-06(火) 奥紅葉白熊(おくもみじはぐま)

一昨日の日曜日、今年最後の寺の草刈がありました。
通称タケノコ山に咲くこの花に今年も会えました。
林の中に生える多年草で、あまり目立たない地味な
花ですが、名前が面白いと思いませんか?
葉は紅葉の葉に似ていて、白熊(はぐま)とは、花が「ヤク」という動物の尾の毛に似ていると言う事で付けられたらしいです。
また「ヤク」の尾の毛は、天台宗では使いませんが、お坊さんが使う佛子(ほっす)にも使われています。
11-07(水) 芋片喰(いもかたばみ)

境内に何ヶ所か咲いています。
うん〜〜〜花の名前・・・「芋片喰」としました。
クローバーに似た葉を持ち、紅色の花を咲かせています。
花の名前「紫片喰(むらさきかたばみ)」かな?と
思いましたが、調べてみると花の違いがはっきり。
花の色、花弁の中央部の色がこちらの方が濃いようです。
でも自信がありませんが・・・間違えていたらあしからず。
11-08(木) 粗樫(あらかし)の実

ドングリコロコロ、どんぶりこ・・・。
誰でも子供の頃に、口ずさんだと思います。
そして誰でもこの実で、独楽(こま)を作った記憶が
あるのでは・・・。
我が家の子供達は、あまり見向きもしませんが。
ブナ科の常緑高木で、葉は舟形で上半面に鋭い大きなギザギザがあります。
花は6月頃黄色のまとまった花を房状に咲かせます。
葉が緑鮮やかなために、花はあまり目立ちません。
材は堅く、建築、用具材など広く利用されます。
11-09(金) 紫式部(むらさきしきぶ)

山裾に紫の実をまばらに付けた、この木がありました。
山野に分布する落葉低木で、夏、葉の付け根に淡紫色・小漏斗状の四弁の花を平開させます。
秋には写真のような、紫色の美しい実を付けます。
庭に植えられる「小紫(こむらさき)」・・・10月19日
掲載よりも実の付き方はまばらです。
11-10(土) 竜胆(りんどう)

長野県・熊本県の県花に指定されている「竜胆」です。
昔から秋の訪れを告げる草花として、広く親しまれています。
日本には14種とその変種などが自生し、品種改良に伴ない
春・夏咲き種もあります。
種で繁殖しますが、寺の境内にも年々増えています。
可愛らしい青紫色のラッパ型の花で、白色やピンク色のものもあるようです。
花は晴れ間に反応し、夜は閉じ規則的な健康的な花です。
根が薬用になり、苦味健胃剤として広く使われています。
花言葉は、正義と共に・勝利を確信する・的確・正義感・誠実・貞淑・悲しんでいる貴方を愛するです。
11-11(日) 柚子(ゆず)

今年は当たり年のようです。
境内の柚子の木に鈴なりになっています。
中国原産のミカンの仲間で、柑橘類の中で最も耐寒性の強い木です。
ご存知のように香りが良く、料理に用いられます。
冬至の日にカボチャを食べ、柚子湯で風流を満喫・・・
極楽、極楽・・・。
柚子自体には効能があり、柚子湯に入ると風邪をひきにくくなり、皮膚も強くなるらしい。
ちなみに今年の冬至は、12月22日土曜日です。
11-12(月) 野葡萄(のぶどう)

蔓性の落葉木で、盛夏の7〜8月に薄緑の葡萄に似た小集団花を咲かせます。
秋には桃・紫・青と多彩な虹色の実を付けます。
葡萄のように食用になれば申し分ありませんが、実の中に虫が入っていることが多く、あくまでも観賞用です。
11-13(火) 冬苺(ふゆいちご)

山裾の日当たり地で、この実を見つけるとまもなく
冬だな〜〜〜と感じ入る私です。
この実を摘みに山に、見つけては大はしゃぎしている
我が家の子供達です。
粒が小さいので、集めるのに一苦労します。
多少酸っぱさ感があり、私を含めヨーグルトと混ぜ合わせ食しています。
実が目立ちますが、晩夏の時期に白い花を咲かせます。
11-14(水) 亀甲白熊(きっこうはぐま)

境内の山の、やや湿り気のある暗い場所に咲いています。
いつもこの場所に高野箒(こうやぼうき)が咲いているんですが・・・。
今年は確認できません。
この花もキク科の植物なんですね。ちょっとキクの
イメージが沸きませんが・・・。
名前は見ての通り、葉が亀の甲羅に似ることから命名されたようです。
白い地味な花ですが、暗い林下ではその白さが一際目を引きます。
11-15(木) ピラカンサ

境内のこの木に、一面に赤い実を付けています。
棘のある常緑低木で、初夏に白い小さな花が集まって
咲きます。
この時期の実は、柿が終わった頃の鳥の格好の餌になります。
私も一つ口に・・・うん、甘味がありますね。
この実は赤色、オレンジ色の実を見かけますが、オレンジ色の実は中国南西部原産で、和名を「橘擬(たちばなもどき)」、
方や赤い実はヨーロッパ東南部原産で、和名を「常盤山櫨子(ときわさんざし)」と呼ばれます。
どちらも明治中期に渡来したものです。
余談ですが、写真を加工している時にこの実が「鬼太郎」の「目玉親父」に見えてきた私は変でしょうか?。(笑)。