花ごよみ 平成19年 9月 上旬
09-01(土) 萩(はぎ)

9月を迎え、当地は本日24度。
あの暑さは何処へ、夜外では虫の鳴き声が聞こえています。
9月最初の花ごよみは、秋の代表花「萩」でスタート。
草かんむりに秋と書き萩、秋の七草の一つです。しかし、草ではなく木に分類されます。
日本全国の山野に分布し、蝶形の花です。
細い茎にたくさんの花を付け、秋風に吹かれ枝を揺らせる風情は心を落ち着かせます。
万葉集の中に、萩を詠みこんだ歌は142種あります。
花言葉は、柔軟な精神・思案・前向きな恋・想い・内気・物思いです。
宮城県の県花に指定されています。
09-02(日) 溝隠し(みぞかくし)

温暖な当地、この土日でほぼ稲刈りも終了です。
私も昨日新米を食べました。
反面休耕田の畦にこの花がびっしり咲いています。
田の畦などに生える小さな一年草です。
変わった花の形で、花色は白色で花の末端が薄い紫色をしています。
溝を隠すほど、繁殖率が高くこの名前があります。
09-03(月) オレガノ・ケント・ビューティー

お檀家さんの玄関先に、吊り鉢に植え込まれ咲いていました。
地中海沿岸・中央アジア原産の、「オレガノ」と言うハーブの花の園芸品種です。
「オレガノ」は、和名を「花薄荷(はなはっか)」と言い、
乾燥葉が肉料理やトマト料理のなどの風味付けに利用されます。
対し、今日の花はハーブとして利用するものではなく、
あくまでも観賞用です。
花姿は段々に重なる葉の間から、小さな薄紫色の花がそっと顔を出していて、何とも言えない可愛らしさのある花です。
花言葉は、実質です。
09-04(火) 溝蕎麦(みぞそば)

水辺にこの花が群落を作り咲いています。
茎に下向きの棘があり、触るとチクリと痛いです。
花はピンク色で、米粒のような形で枝先に密集して咲きます。
可愛いコンペイトウを・・・想像して下されば。
葉を下にして見ると、葉柄の両脇にある突起を「つの」に見立て一名「牛の額(うしのひたい)」の名前があります。
09-05(水) 釣舟草(つりふねそう)

河辺のやや湿った場所に咲いています。
「鳳仙花(ほうせんか)」と同じ仲間で、実に触れると
種が弾き飛びます。
いつ見てもユニークな花姿ですね。
釣り舟のような形の花で、花は提灯のように花茎で
上から吊られています。
うしろの方は渦巻状の突起形で、ここを距(きょ)と呼び、甘い蜜がいっぱい入っているら・し・い。
一名を「紫釣舟」、同属の黄色の「黄釣舟」と区別した
別名でしょうか?。
花言葉は、安楽・私に触れないで下さい・詩的な愛・期待・心を休めるです。
09-06(木) 黄釣舟(きつりふね)
昨日の釣舟草と同じ場所に咲いています。
花の形状が良く似ているので、今日は花の違いを。
花はともに河辺の湿地帯に咲きますが、釣舟草が陽地に咲くに対し、こちらは山の木陰の少し暗い場所に咲きます。
葉がやや丸みを帯び、花のうしろの渦巻状の巻き方がゆるやかです。
花の付き方も、釣舟草よりも多くは付きません。
一名を「法螺貝草(ほらがいそう)」・・・確かに法螺貝に似ていますね。
花言葉は、堪え切れない・じれったいです。
09-07(金) 目弾き(めはじき)

野草を見つけ花の名前を調べ、判った時には一種の感動がありますね。
今日の目弾きもその一つです。目弾き・・・「オハジキ」
ではありません。(笑)。
日当たりの良い雑草地に咲き、長い茎をもち葉の付く節々に淡い紫色の花を咲かせています。
花の名前がユニークですが、子供が茎を折ってまぶたに挟み、目を開かせて遊んだことによるとの事・・・誰か遊んだ記憶のある方はいるんでしょうか?。
一名を「益母草(やくもそう)」、開花期の全草を乾かし、打撲傷や腹痛、月経不順、産後の出血などに煎じて用いられた事から・・・女性の強い味方のような花です。
花言葉は、よき願い・憎悪です。
09-08(土) 玉紫陽花(たまあじさい)

境内の本堂の脇、本堂の裏手の山、少し日陰地に咲く落葉低木です。
葉は先が尖り長めのタマゴ形で、縁にはギザギザがあり、両面にはかたい毛があります。
紫陽花(あじさい)よりもほぼ一月ほど開花が遅れ、
開花直前に花は球状になります。
中心の両性花は紫色、まわりの装飾花は白色〜淡紫色で、装飾花の萼片(がくへん)は3〜5枚です。
09-09(日) 面高・沢潟(おもだか)

休耕田に咲いています。
花は白色の三弁で、中央に黄色の雄花が付いています。
中国原産で、古く平安時代に渡来したようです。
葉は矢じり形で、人の顔のように見え、 葉っぱの面に
葉脈が高く隆起しているところから名前があります。
茎々から花を出しますが、それぞれ3ケの花を咲かせます。
花言葉は、高潔・信頼です。
09-10(月) 悪茄子(わるなすび)
雑草地にたくさん咲いています。
北アメリカ原産の、帰化植物です。
夏に茄子の花に似た、白色ないし薄紫色の花を咲かせます。
食用にする夏野菜の茄子に花が似るのに・・・
何故悪が付くのか?。
茎と葉に棘があり始末が悪く、繁殖力があり強いので
「悪」と名付けられたようです。
花言葉は、安静・悪戯です。
09-11(火) 団扇仙人掌(うちわさぼてん)

お檀家さんの軒先のサボテンが咲いていました。
日当たりが良すぎたせいか、花がうまく撮れませんでした。
丸い平らな緑色の肉厚の身に、とげがいっぱい。
たくさんの花芽を付け、繊細で美しい黄色の花を
咲かせています。
サボテンの、葉を切ると切り口から出る粘液が油を落とす効果があり、「シャボン」が名前の語源のようです。
昔九州を旅した時に、宮崎県の「サボテン公園」で、話の種に「サボテンステーキ」なるものを食しましたが・・・
はっきり言って・・・おいしくありませんでした。
花言葉は、固い守り・風刺・内気な乙女です。
09-12(水) ブーゲンビレア

月に一度、病院通いをしている私です。
海岸線の民家に、見事にこの花が満開に咲いていました。
南アメリカ地方原産で、青い空と南国のトロピカルなムードをもつ花が非常にマッチしています。
一般に花と思われている鮮やかな色が豊富な部分は苞(ほう)で、中心の白い部分が花になります。
沖縄などの温かい地方では、垣根や庭木として扱われ、温室などでは一年中花を咲かせます。
別名を「筏葛(いかだかづら)」。
花言葉は、あなたは魅力に満ちている・情熱的に・熱心です。
09-13(木) 韮(にら)

何処にでもある、野草の一つですが、普段は何気なく
見過ごしてしまいます。
ご存知、根元から生える葉が炒め物などの食材になります。
有名なのは・・・「ニラレバ炒め」かな?。
長い茎の先に白色の花がたくさん咲きます。
ねぎの一種でビタミンAとカロチンを多く含み、消化を
助け風邪の予防効果があります。
漢方では種を乾燥させたものを「韮子(きゅうし)」と呼び、胃腸薬に用いられます。
花言葉は、多幸・星への願いです。
09-14(金) 独活(うど)

山野に自生している、独活の花です。
黒紫に見えるのは花が終わり、身になりつつある姿です。
春先に新芽を摘み、我が家ではテンプラにして食します。
また根茎の部分は細かく刻み、噛み応えのあるシャキシャキ感があります。
春到来を告げる、山菜の一つでもあります。
花は盛夏に咲き、放射状の丸い白色の花です。
「独活の大木」と言う諺がありますが、花が咲くと食用にはならず、大きいばかりで役に立たないことからこの諺が生まれました。
花言葉は、大らか・淡白です。
09-15(土) 蔓穂(つるぼ)

ユリ科の球根の花です。
お盆が終わる頃から、境内・参道の草地に「つくし」に似た茎が突然顔を出してきます。
日なたを好み、花茎には葉を付けず、花も花穂の下方から咲かせていきます。
花は薄く淡い紫色で、集団で開花します。
春先に若い葉がかたまって生えますが、刈り取っても
さすが球根の花、この時期には次々に顔を出し小さな花を咲かせてくれます。
花言葉は、我慢強い・あなたの死を悼むです。