花ごよみ 平成19年 5月 下旬
05-16(水) 二人静(ふたりしずか)
躑躅の木の下に、林下にひっそり咲いています。
4枚の葉が大きく、中央部分から花穂を出しています。
その花は、米粒ほどに小さな白い花です。
花名は源義経の側室「静御前」が奈良の吉野山で、源頼朝に義経と共に捕らえられ、鎌倉の鶴岡八幡宮で、義経を慕う歌を歌い一人で舞ったことに由来します。
一名を「早乙女花(さおとめばな)」。
花言葉は、いつまでも一緒に・静御前の面影です。
はかなく、寂しい話ですね。
05-17(木) 芍薬(しゃくやく)
境内の花壇に今を盛りに咲いています。
牡丹の花に良く似ています。牡丹の花が終わるのを待つように咲き始めます。
そして、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の諺のように美人の形容詞にもされる花です。
私の家内にピッタリの諺です・・・嘘です。シィ〜〜〜。
牡丹が木に対し、分類上こちらは草になるようです。
でも良く似た、花姿ですね。花も大きく香りも良く一際映える豪華な花です。
花言葉は、はにかみ・恥じらい・内気・慎ましやかです。
05-18(金) 紫蘭(しらん)
「この花の名前知ってる?。知らん・・・。
なんだ、知ってるんじゃないの」と言われたことがあります???。
丈夫な花で、病虫害がほとんど無いのが良いですね。
鮮明な赤紫色の花で、庭先に植え込まれ小群落を作り、可憐に美しさを競っているように見えます。
細い茎にたくさんの花を付けて咲いています。
長く花を楽しむことも出来るのも、魅力の一つです。
また球茎は「白及根(はくきゅうこん)」と言い、止血、あかぎれ、ひびに薬効があります。
花言葉は、美しい姿・互いに忘れないように・あなたを
忘れないです。
05-19(土) 半鐘蔓(はんしょうづる)
山の木を見ていると、この花が目に留まりました。
本堂の山手の木に絡まるように咲いています。
長い蔓の節々からまた針金状の蔓を出し、先端に花を咲かせています。
花が高くお得意の脚立を持ち出し、蔓を引っ張り花を
カメラに収めました。
先端が紫色の花で、今問題になっている火の見櫓の半鐘に似ることからこの名前があります。(カァ〜〜〜ン。)
花を取りむいてみました。中は黄色の雄蕊?雌蕊?がぎゅっと詰まっていました。
05-20(日) 木立性(きだちせい)ミムラス
玄関前花壇に咲いています。
家内が植え込み、今満開状態。
原産地は北米で、最近良く見かける花です。
葉は細長く先が尖り、葉の中央から花芽を出しています。
背丈を高くし、オレンジ色のたくさんの花を付け、花色は白色もあるようです。
耐寒性がないのが残念ですが、花期が長いのが魅力の花です。
05-21(月) 昼咲月見草(ひるざきつきみそう)
荒地の砂利を敷き詰めた場所に咲いています。
月見草の一品種で、月見草が夕刻から咲くのとは好対照に昼間花を咲かせます。
北米原産の花で、近年野生化が見られる花です。
この花は、咲き始めは白くだんだんにピンク色に変わっていきます。
花の中央部の黄色と、花の筋が芸術的で見るものを
魅了します。
集団で咲く風情は、心癒されます。
花言葉は、清純・素晴らしい魅力・自由な心です。
05-22(火) 忍冬蔓(にんどうかずら)
山裾に蔓を伸ばし、節々に花を咲かせています。
開花時は白色の花が、徐々に黄色味を帯びた色になります。
花を取り、蜜を吸う私を見て、子供達もそれぞれに蜜を・・・おいしいと口々に話してました。
田舎の自然を教えるのも、親の務めかなと?。
薬用としても効能があり、葉や若芽を摘み陰干しにて保存。
煎じて冷やし、口内炎・歯槽膿漏・またあせもなどに浴用して利用されています。
05-23(水) 庭石菖(にわぜきしょう)
芝生の中、荒地に咲いています。
小さい花で、踏みつけてしまいますが良く見ると綺麗な花です。
北アメリカ原産で、明治時代中期に日本に渡来した
ようです。
白花と淡紫色の二色あり、淡紫色の花は花被に濃い色の線が入り、白花は花の中央が濃い紫色になります。
私が子供の頃は、花と実を摘みよく食べたものです。
子供達もこの花を見つけると、あ、食べられる花だとせっせと食しています。
花言葉は、繁栄・豊かな感情・豊富です。
05-24(木) ブラシの木

日本名「金宝樹(きんぽうじゅ)」、一般的にはブラシの木と言われています。
寺の参道の入り口に植え込まれ、今花が咲き始めました。
オーストラリア原産の花で、コップを洗うブラシにそっくりで、寺を訪ねる方から花の名前を良く聞かれます。
花房に特徴があり、小さな花が外側に向って直立しています。
非常にユニークな花姿です。
花言葉は、はかない夢・恋の火です。
05-25(金) 紫露草(むらさきつゆくさ)

雨の似合う花の一つです。
夜明けと共に花を咲かせ、一日で花を終わらせる一日花です。
しかし次々に蕾が花を開かせ、長い時期花を楽しむことが出来ます。
日本原産の花と思いきや、北アメリカ原産の帰化植物です。
細胞の顕微鏡観察が容易のため、理科の教材に良く使われます。
花言葉は、快活・尊厳・尊び・尊敬しています・ひとときの幸せです。
05-26(土) 虫取撫子(むしとりなでしこ)

こぼれ種で増えるのか、境内に年々増えています。
ヨーロッパ原産で、江戸時代の末期に渡来し、野生化した花の一つです。
茎の上部の節の下に粘液を出す部分があり、ここに虫が付く事から花の名前があります。
長い茎を持ち、五弁の紅色花を咲かせます。感ずるに芝桜の花に似ていると私は思いますが・・・。
まれに白花もあるようです。
花言葉は、未練・しつこさ・青春の息吹です。
05-27(日) 定家葛(ていかかずら)
山の藤の木に絡み付き、蔓が下がっています。
蔓性の常緑低木で、花は白色から次第に淡黄色へと変化させていきます。
花形は下部が筒状で、上部が大きくプロペラ状に5裂して開きます。
冬の風の強い乾燥した日に、白い綿毛が付いた種が風に乗り飛ぶ風情も、冬の風物詩の一つでは・・・。
花は初め「マサキノカズラ」と言われたが、鎌倉初期の歌人藤原定家の墓から生えたマサキノカズラが、愛する人の墓を覆い隠すように繁ったので、後に定家葛と言われるようになった。
05-28(月) 白丁花(はくちょうげ)

境内にこの木がいくつか植えられています。
沖縄に分布する常緑低木で、刈り込みにも耐え檀家さんの中には生け垣にしているお宅もあります。
短枝の先に、紫がかった星形の白色の小さな花
を咲かせています。
不思議に、花の裏がピンク色です。
花言葉は、純愛です。
05-29(火) 銀盃草(ぎんぱいそう)
お檀家さんの芝生地に咲いています。
アルゼンチン原産の多年草で、葉はへら状で、花は広い釣鐘形で乳白色の花を次々と咲かせます。
地下茎で花が増え、茎は立ち上がり年々花は増えているようで、
群落を作り見ごたえがあります。
私もお檀家さんに、お花をおねだりしてしまいました。
来年は寺の境内にもこの花が咲くかな?。
花言葉は、楽しい追憶・真実の友情です。
05-30(水) 二色空木(にしきうつぎ)
当地の山では、良く見かける花です。
一本の木から赤色と白色の花、気になる花の一つです。
花色が白から赤色に変化する、自然界は面白い現象があるものですね。
高い場所にはあまり咲かず、山裾に枝を垂らし、木全体もあまり大ぶりにはなりません。
05-31(木) 匂い棕櫚蘭(においしゅろらん)

南国ムード一杯の木です。
寺の境内にこの花が咲く木があったとは・・・。
偶然上を見上げ気づいた次第で。
ニュージーランド原産の木で、木の高さは5mほどあり、葉の先端は尖り、白い穂状の花を咲かせています。
さっそく脚立を持ち出し花の観察、花はびっしり付けていますが、開花している花を見ると六弁の花ですね。
名前の通り、匂いに誘われハチが蜜を求め飛び交っていました。青い空と白い花、絵になります。