花ごよみ 平成17年 4月 下旬
16(土) 破れ傘(やぶれがさ)
私の寺にも、破れた傘はたくさんあります。
花の名前を付ける人は、誰なのか・・・?
時々、う〜ん上手いと唸ることがあります。
今日の掲載の破れ傘、これも見たままの表現ですが、命名者に感心しきりです。
林下の、腐葉土を含んだ湿り気のある場所に、若芽を出しています。手前が、出たばかりの若芽、奥が開き始めた若芽。
梅雨の時期に、これに花が咲くとは、チョッと想像できません。
時期に花を掲載致します。
17(日) アイリス
アイ・アイ・アイリス・・・目薬の原料の花ではありません。
白色、黄色、紫色、青色と色気がありますが、寺には青色のこの花が、生育しています。
日本の春を象徴する花の一つで、当地では道路脇にアイリスを植えた通りもあります。
茎は長く、花びらは六枚で、三枚は上に立ち上がり、残りの三枚に黄色の色を施しています。
非常にすがすがしい花姿で、花の青が、空の青さとマッチしています。
花言葉は、恋のメッセージ・変わりやすい・エキゾチックな人です。
18(月) 木通(あけび)

寺の参道入り口の木に絡みつく木通の花です。
写真の大きい花が雌花(めばな)で実になる部分。
小さい花が、雄花(おばな)です。
普段気が付きにくいですが、花は淡い紫色で、鑑賞用には十分な見ごたえがあります。
若芽はおひたしや、お茶の食用に、また茎は煎じて腎臓などの薬として使われます。
花言葉は、才能・唯一の恋です。
19(火) 紫華蔓(むらさきけまん)
半日陰地の、やや湿った場所に咲いています。
赤紫の花色で、花の先をつまんでつぶすと音を立てます。
華蔓とは、仏殿の飾りに似ることからの命名です。
日本原産と思いきや、中国の原産なんですね。
集団化しやすく、小さな群落を作り日照時間により、
花の色も、多少変わるようです。
20(水) 蛇苺(へびいちご)

名前が気の毒なくらい綺麗な花です。
名前は、蛇が食べる苺と言う意味合いがあるようですが、実際は蛇も食べず、毒も有していません。
梅雨時期に、赤い実を付けますが、私も小さい時この実を食したことがありますが、今も生存しているのが、
毒のない証拠です。
中は、スカスカでおいしくない、が印象に残っています。
21(木) 雀野豌豆(すずめのえんどう)

3月10日に掲載した、烏野豌豆(からすのえんどう)より、一月ほど遅れ開花します。
スズメノOOOO、と名前を持つ植物がありますが、スズメは小さいという意味合いがあるようです。
烏野豌豆が紅紫色の花に対し、こちらは白紫色です。
莢(さや)をつける時期には、烏野豌豆が多く実をもつに対し、こちらは、二つの実を莢に持ちます。
22(金) 雀の槍(すずめのやり)
折角ですから、雀シリーズで。
日当たりの良い土手に、地味〜〜に咲いています。
玉のような花は黄色と茶色のツートンカラーです。
株から放射状にたくさんの花を出し、葉からは白い
蜘蛛(くも)の糸状の繊維を出しています。
名前の槍は、武器ではなく大名行列の先頭のやっこさんが振っている毛槍に似る事からの命名のようです。
23(土) 宝鐸草(ほうちゃくそう)

この花の名前が気に入りません。聞こえ方によっては、横着僧(おうちゃくそう)私を言われているようで・・・。
林の日陰地にこの花が咲いています。葉を見て判るようにユリ科の植物です。花は茎の先端に咲かせます。
宝鐸とは、寺のお堂の四隅に下げられる風鐸(ふうたく)にちなみ付けられたようです。
実は秋に黒く熟します。
24(日) 李(すもも)

本堂の裏手に咲いています。
花が高く、お得意の脚立に乗り撮影しました。
新芽と同時に白い花を咲かせ、梅や桜の花に似た五弁の花を枝いっぱいに咲かせています。
晩秋に実を付け、この実はプラムと呼ばれ、生でまたジャムとして加工されます。
昨年実を採り、我が家の子供達はすっぱいといい食べず、私は、あの熟したところが甘く、酸味のある味わい好きなのですが・・・。
花言葉は、忠実・貞節・独立・甘い生活です。
25(月) 八重桜(やえざくら)
寺のソメイヨシノが葉桜になり、約二週間。
霊園の観音像裏手の土手に、濃いピンク色の八重桜が、今満開の状態です。花も大きく、見るからに重たそうに咲いています。
野生の山桜に対し、人里に咲く桜から別名「里桜」、花の形から「牡丹桜」とも呼ばれます。
婚礼の時に戴く「桜湯」は、この花を塩漬けにしたものです。
花言葉は、善良な教育・しとやかです。
26(火) 金瘡小草(きらんそう)

寺の境内地に結構見ることが出来ます。
土手に岩肌にべったり張り付いているという表現がピッタリかも。
茎は地面を這い、葉はまだらなギザギザで濃い紫色の花を咲かせています。
別名を「ジゴクノカマノフタ」すごい名前ですね。
お墓の周りに多く咲き、先祖の霊を閉じ込めるほど地面に張り付く様を現し、煎じた汁は風邪薬、高血圧の薬になります。
薬の効き目があると論じたのは、真言宗の開祖空海(弘法大師)で一名を「弘法草」とも云われます。
花言葉は、追憶の日々・あなたを待っていますです。
27(水) 射干、著莪(しゃが)

田舎の寺にはこの花が良く似合います。
私の好きな花の一つです。寺の半日陰の地に群生しています。
日本原産のアヤメの仲間で、一年中緑色の葉は生け花に良く使われます。
花茎はよく分枝し、一花茎に十輪以上の淡い紫がかった幾何学模様のある白花を咲かせます。
一名胡蝶花(こちょうばな)。
花言葉は、清らかな愛・決心・抵抗・反抗です。
28(木) 灯台躑躅、
    満天星躑躅(どうだんつつじ)

寺の参道片側に長〜〜く植えられています。
当地でもこの花を、生垣に使用しているお宅もあります。
落葉性で秋の紅葉がとても美しく、スズランに似た形の
白色の花を下向きに開かせています。
長さは1センチメートルに満たない小さな花ですが、枝先に多く垂れ下がり、なかなか見ごたえのある花です。
花言葉は、かわいい人・節制です。
29(金) 葉牡丹(はぼたん)
冬になると毎年、母親から葉牡丹を買って来てとお願いされます。何で葉っぱだけの物を、また食べられない物を花壇に植えるんだ、と不思議に思ってました。
花に興味を持ち、その理由が少し判った気がします。
冬を越し、葉の中央から茎を徐々に伸ばし、今の時期
菜の花に似た黄色の花を咲かせています。
縁起物として正月の飾り、門松に添えられます。
花言葉は、記憶に残る思い・利益・祝福です。
30(土) ブルーベリー

毎年盆、暮れにお願いしている植木屋さんから戴きました。
花壇に植えられ、今スズランに似た釣鐘状の白い花を
咲かせています。
北米原産で、日本へは戦後渡来したごく最近の物です。
夏から初秋にかけて黒紫色に熟す実は、甘味と適度な酸味があり、この時期には小鳥と、我が家の子供たちとの争奪戦が始まります。