花ごよみ 平成17年 4月 上旬
01(金) 姫榊(ひさかき)
今日から四月、暖かな日で本当の春到来のようです。
野に山に、花探しも心地よい風を頬に感じます。
寺の生垣の中に、そして山でも見受けられます、この花。
花の多い時期でしたら、あまり目立たない存在かもしれません。
それほど地味に咲いています。
薄い黄色の小さな花を枝にびっしり付けています。
花の香りは少し臭いがきついようです。
02(土) 連翹(れんぎょう)
枝一杯に黄色の花を咲かせています。
耐寒性が強く、挿し木でも繁殖力は高い落葉低木です。
草花との混植や、生垣にも広く利用されています。
花言葉は、希望・希望の実現・豊かな希望・楽しい語らいです。
写真の撮影時カマキリの巣が付いていました。
03(日) 黒文字(くろもじ)
山裾にこの花が咲いています。
この木は、樹皮・花に香りがあり、香料に使用され、また爪楊枝の原料にもなります。
特に、茶席でお菓子を戴く時の楊枝でご存知の方も多いと思います。
新葉が出ると同時に、黄色い小さな花を開花させます。
秋に黒い丸型の実を付けます。
04(月) 椿(つばき)

二月に寺にある椿を掲載しましたが、遅まきに本堂の前に紅白の椿が咲いています。
大柄な木ではありませんが、花が大きいため、木全体が紅白に染められた状態です。
椿の品種も数多くありますが、残念ながらこの椿が、
なんという名前の品種か私には判りかねます。
あしからず。
05(火) 雪柳(ゆきやなぎ)

遠くから見ると、花の噴水の感があります。
寺の本堂前に、一対で咲いています。
品種的には、ピンク雪柳の名前があります。
小さい花ですが、近くで見ると梅の花に似ています。
枝いっぱいに花を付け、柳のようにしだれることから、
この名前があります。
花言葉は、愛らしさ・愛嬌・殊勝・懸命・静かな思いです。
06(水) 尾上柳(おのえやなぎ)

今日も、柳という名前の花を。
百足(むかで)を木に付けたわけではありません。
日当たりの良い山に咲いています。
花の感触は猫柳に似ていますが、猫柳よりも細く、
淡緑黄色の尾状花を枝先に咲かせています。
見映えのない花ですが、山にも春到来、花を付ける木もたくさんあるもんだと、感心しきりの今日この頃の
私です。
07(木) 糸水仙(いとすいせん)

暮れの房咲水仙(ふさざきすいせん)の開花から、境内にも白あり、黄色ありはたまた八重あり、鈴蘭水仙あり、いろいろの水仙が賑わしてくれました。
今日の花、これも水仙ですが、他の水仙に比べ葉は細く、夏に咲く「玉簾」(たますだれ)を想像して下さい。
黄花の色気ですが、別名を葉のイメージから糸葉水仙、また非常に芳香が良いところから、匂い水仙という
一名もあります。
08(金) 紅葉苺(もみじいちご)

今日は、仏教を開かれたお釈迦さまの誕生日。(降誕会)です。
私が小さい頃、近くの幼稚園の児童がお弁当持参で、寺に散策に来たことを記憶しています。今では児童も減り過去の出来事になってしまいました。
余談でした。
山に咲く紅葉苺の花です。枝には棘を持ち、五弁の白い花を咲かせ、名前の如く紅葉に似た葉を付けています。
別名実の色で、黄苺(きいちご)と呼ばれます。
当地では、ごく普通に山苺と呼んでいます。
初夏に甘味のある黄色の実を食すと、まもなく夏の到来を感じたものです。
09(土) 桃(もも)

名もないお寺に桃の花は咲けど・・・。
強がりを言えば、私の寺には名前があります、能満寺と。
今の時期、ソメイヨシノの桜の白と、桃の濃いピンクが非常に調和しています。
桃の字は、木に「兆」と書き、女性の妊娠の兆しを意味し、それにちなみ、3月の桃の節句があるようです。
また、桃から生まれた桃太郎の如く、古くから桃の木には、霊力があると信じられてきました。
花言葉は、気立ての良さ・記念日・チャーミングです。
10(日) 桜(さくら)
今日の花は、菊と共に日本の国花に指定されている桜です。
あわせて、今日は私の家内「桜」の誕生日です。
昨年は、開花が早く4月には、葉桜。やはり入学式、社会人としてのスタートの時期に咲く桜、格別のものがあると思います。
桜の霊として崇められる、此花之佐久夜姫(このはなのさくやひめ)が富士山から種を播いたのが起源とされています。
この時期、桜の名所はお花見の人でどこも賑わいます。
それほど、日本人になじみの深い花ではないでしょうか・・・?
ソメイヨシノは東京都の花に、富士桜は山梨県の県花に指定されています。
花言葉は、精神的な美です。
11(月) 石菖(せきしょう)

当地も今日は雨、桜は早くも葉桜に。
寺の半日陰地に、緑々の葉を持ち、薄い黄色状の、
ネズミの尻尾みたいな肉穂花序の花を咲かせています。
サトイモ科の植物で、冬でも常緑の葉で、根茎は薬用になります。
明日で、花ごよみも一年、寺にはいろいろな植物があるな〜あ
と、つくづく思います。
12(火) 青木(あおき)
花ごよみも今日で一年、良く続いたと思います。
自分で自分を褒めたいと思います。(どこかで聞いたことが・・・)
今後、寺の花はもとより花の見聞を広げて行きたいと思います。
今日も新しい発見をしました。
山に多く自生している青木ですが、雌雄異株株でそれぞれに
花が違うんですね。
今日の花は、雌(めす)株の花です。ちょうどまだ実が残り
実とあわせて撮影してみました。真ん中に見えるのが
めしべです。明日は、雄(おす)株の花を。
13(水) 青木(あおき)
昨日に続き、青木の花を。これは雄(おす)株の花です。
自然界は不思議だとつくづく思います。
花の色は、雌雄赤紫の色ですが、花の中央に注目して下さい。
雄株の黄色っぽい4ケがおしべのようです。
間違えたらお許し戴きたいのですが、雌株だけが実を付ける
ようです。
14(木) 田辛し(たがらし)
野の花を。休耕田に咲く田辛しです。
野の花図鑑を見るまで、名前の響きから、この花が田んぼに咲くと、田んぼが枯らされてしまうと信じていました。
日本語私には・・・ムヅカシイデース。
本来は、噛むと辛味があることからの命名のようです。
漢字を見れば大体想像つきますよね。
花の中央にある緑の球が、めしべの集合体です。
葉は無毛で(私みたいです)、艶があり茎は太くなっています。
15(金) 浦島草(うらしまそう)
境内を歩くと、結構この花?植物?があります。
やや湿り気のある場所で遭遇するので、あまりいい気持がしないのが事実です。
また別名蛇草(へびくさ)というのも、不気味さを増幅させています。
花の中から出て長く伸びる、花穂肉序を浦島太郎の釣竿に見立てこの名前があります。
皆さんもこの花に出会ったら、釣られないように、また飲み込まれないように、気をつけて下さい。