花ごよみ 平成16年 9月 下旬
16(木) 薮真麻(やぶまお)
林下の日陰の中に、動物の尾のように、房状に花を付けた
「やぶまお」があります。
触った感触が非常に良く、心地良い肌触りがあります。
毛状にしか見えないこの植物も、手に取ると小さい小さい
淡緑色の花をたくさん付けています。
17(金) 糸瓜(へちま)
野菜作り、花作りの好きな母親は、「花ごよみ」の貴重な
戦力です。私も畑の見回りは、日課となっています。
今日から3日間畑のものを・・・
少々虫食いになっていますが、「へちま」の花です。
小さい頃実をくりぬき乾燥させたスポンジ代わりの物が
お風呂にあったことを記憶しています。
父親がそれで背中を洗って呉れたのも遠い昔になって
しまいました。
糸瓜水は、古来化粧水、また咳止め薬に用いられます。
緑の皮を煎じたものは、「ぜんそく」の薬として効果が
あります。
18(土) おくら
アフリカ原産で日本への渡来は最近のようです。
野菜の花も何度か掲載しましたが、黄色の花が多く、
この花は、野菜でも異色ではないでしょうか・・・
淡い黄色の大輪の花は、畑でも一際目立ちます。
若い莢(さや)を食しますが、皆さんはどんな食べ方を
しますか・・・?
私は、「おくら」を生で納豆を入れ生卵を加えたものが、
一番好きです。
19(日) 蔓茘枝(つるれいし)

「つるれいし」と聞いても、ピーンとこないと思いますが、
ゴーヤ、苦瓜(にがうり)と聞けば、見たこと・食べた事
ある方多いのではないでしょうか・・・?
沖縄を代表する野菜の花です。
若い実を炒め、食しますが、あの独特の苦味のせいか、
私をはじめ子供たちもあまり箸を伸ばしません。

早いもので明日は、秋の彼岸の入り、明日はあの花
しかないでしょうね・・・?

20(月) 彼岸花(ひがんばな)

今日から秋の彼岸。朝からお墓参りの人が訪れています。
今年も時を告げるようにこの花が咲きました。
夏に咲く「夏水仙」(8月13日掲載)に茎が似て、
真っ赤な色気で咲き乱れています。
水仙と同じく対馬海流に乗り日本に渡来したようです。
田んぼ・墓地の近辺に多く咲きますが、根が有毒のため
野鼠の進入を防ぐ目的で植えられたようです。
別名も多く、カミソリバナ・シビトバナ・トウロウバナ・
マンジュシャゲ・捨子花・天蓋花などを数えます。
花言葉は、悲しい思い出です。
21(火) 男郎花(おとこえし)

「おとこえし」・・・男の絵描きではありません。
親父ギャグで失礼致しました。
林の中の草地に白い花の集団を作り咲いています。
長い茎を持ち、鋸状の葉を付けています。
「女郎花」(おみなえし,8月4日掲載)を一回り大きくし、
花を白くさせた花姿をしています。
おみなえしよりも暗い場所に咲き、方や秋の七草
花の世界では、男卑女尊なのでしょうか・・・?
22(水) 大根草(だいこんそう)
林の薄暗い半日陰地に咲いています。
五弁の花ですが、片方の花は、私が写真を撮るのに
一花取れてしまいました。花は2センチ程ですが、
色気は、濁った黄色という感じです。
花を見に行く度にこっちに一つ、あっちに一つと
パラパラと咲きあまり見映えのない花です。
葉が大根に似るところからこの名前があるようです。
23(木) 山不如帰(やまほととぎす)

露草の傍らに何か白色の花を発見。
花の姿、形、色気に驚きを感じました。
名前が判らず植物図鑑を参考に判明しました。
江戸時代の俳人「山口素堂」の有名な句に、
「目には青葉 山ほととぎす 初がつお」という句は、
私も以前は、山の鳥を想像していましたが、この花を
見ての一句のようです。
彼もこの花を見て感動したのではないでしょうか。
花言葉は、永遠に貴方のものです。
24(金)金水引(きんみずひき)

寺の境内の脇を流れる川の散策も日課であり、
新しい花の出会いに遭遇します。
花はたくさん付けますが、悲しいかな小花のため
少し大きくしたもので掲載させて頂きました。
花の名前の的確さには、いつもいつも感心します。
祝いに使う金の水引に確かに色気も似ています。
名付け親に座布団一枚ですね。
25(土) 水引(みずひき)

林の日陰地でこの花を多く見かけますが、
寺には庫裏(くり)から出た玄関先に、3株ほどあります。
花が小さいため表現しにくいですが、見る角度で
赤くも白くも見えます。これが名前の由来ですが・・・
昨日の「金水引」がバラ科に対し、こちらは、「タデ」科
に属しています。
白と赤のコントラスト、名前の通りめでたい花ですね。
26(日) 露草(つゆくさ)

見つけました。ありました。
皆さんは見たことがありますか・・・?
寺には紫色の露草(9月6日掲載)しかないと
思っていましたが、田んぼの草むらの隅に
数は多くありませんが、ひっそりと咲いていました。
境内を散策してきずかなかったということは、
白色の露草の方が開花が遅いのでしょうか・・・?
家内も初めて白い色の露草を見たと話していました。
私自身も初めてで、見つけた時は感動興奮を覚えました。
花言葉は、密かな恋です。
27(月) 栗(くり)

当地でも今運動会の真っ盛り。
幼稚園の運動会は残念ながら順延になってしまいました。
わが家の2人の幼稚園児はがっかりしています。
6月17日に花を掲載しましたが、今まさに実が熟し
実りの秋です。
私が小さい頃茹でた栗を祖母が器用に小刀を使い
皮をむき食べさせてくれた思い出があります。
あれから38年月日の経つのを感じる今日この頃です。
28(火) 薄(すすき)

皆さんの土地では月が見えましたか。
残念ながら当地では小雨の降る生憎の天気
「中秋の名月」を拝むこと叶いませんでした。
この花はご存知の通り、秋の月見に欠くことができません。
その年の収穫物を供え、収穫物を悪霊から守り、
翌年の豊作を祈るいわれがあります。
わが家では、月見団子ならぬ子供たちの好きな
黄粉餅を夕食に戴きました。
古来この花を「尾花」と言い秋の七草の一つに
数えられています。
花言葉は、活力・心が通じるです。
29(水) 韮(にら)

寺の参道にこの花が今を盛りと咲いています。
中華料理の定番で、お好きな方も多いと思います。
ネギ科の一種で、ビタミンA・カロチンを多く含み、
消化を助け風邪の予防効果もあります。
漢方では、種子を乾燥させ韮子(きゅうし)と言い
胃腸薬に用います。
食すのは、やさいいため・ニラレバが美味しいですね。
30(木) 薄荷(はっか)

寺の参道の草むらに薄い紫色の小さな花を付けた
「薄荷」が所々に咲いています。
茎の節々に多数の花を集め、球状の形を成し
長いおしべが花の外に突き出ています。
葉を取り揉んでみると、薄荷特有の臭いが手にも
残ります。
この芳香を利用して香料・清涼剤・薬用に
活用されています。