花ごよみ 平成16年 9月 上旬
01(水)秋の田村草(あきのたむらそう)
残暑お見舞い申し上げます。
9月に入りまだまだ暑い日が続きそうです。
ことわざ通り彼岸までの辛抱か?
せめて「花ごよみ」だけでも秋を感じて頂きたく、
この花にしました。
でも写真の腕が悪く涼しさをお届けできなかったと思います。
花も小さく淡い紫色の色気です。
02(木) 鉄砲百合(てっぽうゆり)

境内に咲く百合の中で、最後に開花するのが
この百合ではないでしょうか?
鉄砲型の白い涼しげな花を数多く咲かせます。
花言葉は、純潔・甘美・威厳です。
03(金) 枸杞(くこ)
残暑の残る時期、紫色系統の花は涼しげに感じられますね。
この花は、赤い実を付けた時の方が印象深いのでは、・・・
鑑賞花よりも薬用として有名です。
具体的には、果実が果実酒として、若葉がくこ茶・炊き込みご飯・和え物として、根が「地骨皮」(じこつび)という名の
漢方薬として用いられています。
私は、果実酒は飲んだ事はありますが・・・
味は、今では覚えていません。
花言葉は、自然な振る舞いです。
04(土) 薮蘭(やぶらん)

寺の境内を初め庭先、林下至るところにこの花が咲いています。
葉は、緑色というよりも、白く細長いものを
付けています。
長い葉の中から、小さい花が見え涼しげな風情を
醸し出しています。
葉は、光合成の関係でしょうか、白色の葉と、緑色
の葉に花を付けたものに分かれるようです。
2004-09-05(日) 屁糞葛(へくそかずら)
花を見つけた時、「綺麗な花だな〜」と思うも名前判らず。
野の花図鑑を調べ、花の可憐さに相応しくない名前にびっくり。
わざわざ臭いを嗅ぎに再度花の元へ。・・・花の名前に納得。
別名、早乙女葛(さおとめかずら)、また花の中央の色が
お灸の痕に見立て灸花(やいとばな)ともいわれます。
花の色気、外見からは想像できないちょっと気の毒な
名前の花です。
06(月) 露草(つゆくさ)


朝露にひときわ鮮明な青色の花を開花させている
「露草」が塊を作り咲いています。
閉じた貝が開き、そこから花が出てるように見えます。
当寺には、この色気のみしかみあたりませんが、
紫色、白色もあるようです。
花の青い汁が染料として使われた時代もあったよう・・・
花の塊は、涼しげな趣があります。
花言葉は、密かな恋です。


07(火) 仙人草(せんにんそう)

一名「馬食わず」とも言われるこの花、なぜ馬が食さぬか?
それは有毒植物だからです。
しかし四弁のきれいな白い花は、つる状に地を這い、また木に巻きつき咲いています。
名前の由来は、葉が枯れた冬に白い種毛が、仙人のひげに
似ることからのようです。
有毒植物ですが、根は漢方で利尿剤や鎮痛剤にされます。
08(水) 弟切草(おとぎりそう)
「花ごよみ」を始め3日に一度早朝境内はもとより、
山を蚊の餌食になりながらも散策しています。
この花は、タケノコ山の竹林に咲いていました。
ただ花の名前を見て下さい。なんか物騒な名前ですね。
古くから傷薬として使われ、この薬を使ってタカの傷を
直す秘密を弟が他人に洩らし、怒った兄の鷹匠がその弟を
切り殺したという伝説に基づき名前があるようです。
綺麗な花の裏にも悲しい話があるんですね。
09(木) 玉簾(たますだれ)
私のかすかな記憶の中には、咲き乱れていたという
印象があるのですが・・・
お盆前の草刈りで多分的に刈ってしまっていたのが原因では、
観察するに、開花の時は白い色ですが短命で、3日間ほどしか
咲いていません。
花が終わりしぼむ時は、花先は薄い赤色をしています。
西インド諸島原産で、花を「玉」に、葉を「簾」に見立て
この名前があるようです。
花言葉は、期待です。
10(金) 薮茗荷(やぶみょうが)
洒落(しゃれ)ではありませんが・・・
林下の茗荷(8月5日掲載)のある隣にこの花の
一群があります。
葉も名前も茗荷に似ていますが、茗荷がミョウガ科に対し、
こちらは、ツユクサ科になります。
花は、一日花で花の位置に藍紫色の実を付けます。
茗荷同様、食することができれば良いのですが、
残念ながら、食用にはなりません。
11(土) 釣鐘人参(つりがねにんじん)
残念ながら、当寺には鐘楼堂がありません。
なぜなら太平洋戦争に鐘を供出し、未だ再興すること叶いません。
横道に逸れましたが、紫色のこの花さわやかな音色が
しそうな趣があります。
寺の参道に、またワラビ山にとたくさん咲き、
夏の野山に彩りを添えています。
「美味なりと唄われた山菜」で、春先の若葉は和え物・酢の物・
天プラにまた、根を乾かしたものは、「沙参」(しゃじん)
と呼ばれ、煎じて健胃剤、去痰剤として用いられています。
12(日) 葛(くず)
境内を歩いていると、足元に紫色の花びらが、・・・
見上げると高い場所にこの花が咲いていました。
秋の七草「葛」です。長いつるを伸ばし中には、
電信柱を覆い隠すものもあります。
花は、下の方から咲き始め上方に移動します。
奈良・吉野地方の国栖(くず)村に名前は由来し、
根にでんぷんを多く含み、葛粉に、また漢方の風邪薬
「葛根湯」(かっこんとう)の原料になります。
花言葉は、活力です。
13(月) 蔓穂(つるぼ)
左の写真を見て下さい。まるで秋の「つくし」のようです。
そして、右手の写真が開花した「つるぼ」です。
昨日の葛(くず)同様下の方から順に花を咲かせます。
花は、横向きに付き、葉を持たず、小さな淡紫色の集団花が
咲きます。
寺の参道に、また境内の庭に年々勢力を伸ばしています。
14(火) 犬鬼灯(いぬほおずき)
雑草地にも色々な花が生きづいています。
卵型の葉で、花は本当に小さく、丁度写真を撮った時に、黒い
実を付けていました。
全草に「ソラニン」という物質を含み有毒、
食せば、腹痛・けいれんを起こす怖い植物ですが、
茎葉の煎汁は、たむしを直し、解熱剤・利尿剤になります。
15(水) 狐の孫(きつねのまご)
「花ごよみ」を始め早5ケ月が過ぎました。
今日の花ほど何度も写真を撮り、さてどれを掲載しようか
大変迷いました。
草地に至るところ咲いていますが、花は小さく、淡いピンク、
淡い紫色ともいえる色合いがなかなか出せず、これが原因で
写真選びに苦慮しました。
写真は、拡大してありますが、上部の白い部分に黒く見えるのが
「ふくろう」に似ていませんか・・・?