「七福神」 
 
「幸福」はみんなの願望である。
「福」は漢和辞典には「神から恵まれた豊かさ。
転じて幸せ」とあり、「幸福・福祉・福徳・福円・祝福」など豊かに恵まれた心を表す。
私たちの大切な人生の根源を表す文字である。
家庭や地域や社会に福が来るよう祈りを捧げる七福神は、最初一人ひとりの福の神として祭られていた。
「仁王経」「薬師経」に説かれる「七難即滅・七福即生」の経文や「竹林の七賢人」の話を通じ、足利末期頃から民間信仰として関西を中心に広く伝承したとされ、現在の七福神になったのは、天海僧正が徳川家康に七福神の徳を説いてから後のことと伝えられている。
 
ゑびす(夷・恵比寿)天は海の向こうから来る「えみし」を指し、漁民に開運守護として崇められ、鯛を抱え釣り竿を持っている。
大黒天は伝教大師最澄が日本に伝えたとされ、右手に打出の小槌、左手で宝袋を背負い米俵に立つ姿から福の神として崇められた。
毘沙門天は多聞天とも言い、北方の守護神で財宝や福徳を授ける神として崇められた。
弁財天は河の神で長寿、弁舌、戦勝を授けるとされ、恵み深き神と崇められている。
布袋様は中国の禅僧契此布袋和尚と呼ばれていた。弥勒菩薩の化身とされ、ふくよかな円満の相ゆえに七福神の一人に数えられた。
福禄寿は中国の道教の南極星の化身で短身長頭で美髯を蓄え、富や財宝が得られると崇められている。
寿老人も福禄寿と同一人物で白髪白髯で長杖の先に人の寿命を記した巻軸を掛け神展を従えている。
 お正月の二日の夜に宝船に乗った七福神の絵を枕下に入れて吉夢を祈り新春に巡拝すると「七難即滅七福即生」極まりなしと言われ、その風習が今も行なわれている。