「香典のマナー」 
 
【不祝儀袋】
 香典とは宗旨に関係なく霊前に供える現金の総称ですが、持参する金包みは、故人の宗旨に添ったものを選びます。
弔事は、二度あると困ることなので結びきり水引を使います。市販されている双銀か黒白の水引の袋を選びますが、慶事の色(赤・金)とまちがえるととんだ失礼となりますので注意が必要です。
また黄白・青白などの水引は地域によっては三回忌以降の法要などに用いるようです。次に金額に、つりあった袋を選びます。
五千円以下・・・印刷されたもの
三万円以下・・・黒白の水引
五万円以上・・・銀の水引に高級和紙を用いた袋。
 
【表書き】
 弔事の表書きは薄墨、弔事用の筆ペンを用い、楷書で書きます。
ボールペンや万年筆は使いません。
上段中央に御霊前(全宗旨共通)などの献辞を書きます。
仏式・・・御霊前・御香料・御香典・御供物料・(四十九日の法要以降は御仏前)(浄土真宗・・・御仏前)
神式・・・御玉串料・御榊料・(納骨以降は御神前)
キリスト教式・・・御花料
下段中央には贈り主の姓名を書きます。連名の場合、目上から順に、三名以上のときは代表者名と他一同と書き、内袋に全員の氏名を書いた半紙を入れます。
 
【内袋】
 金額・住所・氏名を明記します。
金額は改ざんされないように漢数字を用います。
壱(一)弐(二)参(三)伍(五)拾(十)阡(千)萬(万)のように書きます。
一方、お金の入れ忘れは、葬儀の会計担当を困らせるなど、礼を失するばかりか迷惑をかけることになりますので、注意して下さい。
 
【香典返し】
 香典は、もともと故人の霊前に手向ける「香」の代わりに贈るものなので、お返しは必要ないのですが、今日では慣例化してきており、葬儀では、会葬礼状と同時にその日返しをすることもあります。
品物はどこの家庭でも使うお茶・砂糖・石鹸など消えものや白いタオル・シーツ・毛布・菓子などがよく選ばれます。
忌明け後、挨拶状をそえて贈りますが、とくにお世話になった方には持参することが望ましいでしょう。