「焼 香」 
 
 仏前に香(こう)をたくとか、お線香を供えるとかを仏様
へのお供物の一つのようにして、香をお供えすることだと思
われがちです。
 
 しかし、本来香をたくことの意味は、仏様の御前に出るに、
あたって、まず体臭を消し、身体を清浄にし、さらに香のか
おりによって、敬虔(けいけん)かつ、厳かな気分となり、
邪念を打ち払うのが香をたく目的です。
 
 仏前での焼香は、心をこめて行うのなら一回でよいのです
が、心を静めるのに一回、身を清めるのに一回と、二回行っ
てもかまいません。また、仏・法・僧への帰依(きえ)を意
味し三回行っても結構です。
 
 線香の上げ方も、仏法僧の帰依で、三角形に三本立てると
もいわれます。浄土真宗では、線香は立てずに、香炉の大き
さに応じ、適当に折り、横にして灰の上に置きます。
 
 注意が必要な事は、燃えているローソクや線香の火を消そ
うと、口で息を吹きかける事は、決してしてはなりません。