「十夜法要」 (じゅうやほうよう)
 
 十月六日から十六日まで、十日十夜にわたり、浄土宗の寺院で行われる念仏会です。

「十夜」あるいは「お十夜」ともいわれ今日では、長いところで五日、三日に短縮され、もっとも短いところは一日です。
『無量寿経』に説かれている「ここにおいて善を修すること十日十夜すれば、他方諸仏の国中において善をなすこと千歳なるに勝る」などに基づいて行われるといわれます。
十日十夜の念仏の功徳によって、浄土に往生することを願おうというのです。
このように、浄土教の教理に基づく信仰行事ですが、農村生活に伝播していくうちに、ちょうど秋の取り入れの終わった時期であり、収穫感謝の農民行事と結びついて行われてきた形跡も窺えます。
関西地方などこの農事と合わせて、月遅れの十一月に行われるところが多く、ところによっては十二月のこともあるようです。