「御会式」 (おえしき)
 
 弘安五年(1282)十月十三日、池上の本門寺(東京)で入滅した日蓮上人の法会が本門寺を中心に、全国の日蓮宗寺院で営まれてきました。
本門寺では十一日から十三日まで勤められ、特に十二日の夜は、通夜があって、夜中の説法が行われます。
江戸時代から盛んになった行事のようで、特に講中(古くから伝わる在家信者の組織)が万灯を先頭におはやしとともに繰り出すお練り行列は、江戸町民の中でも、職人気質にアピールしたようで、「一貫三百どうでもいい」というはやし言葉がもてはやされたといいます。
一貫三百とは、当時の職人の日当で、それを棒に振ってでも、お会式には参加しようという意気を示したものです。
 池上においては宗祖の忌日を静かに偲ぶ集まりであると同時に、江戸市民のお祭りとしての色も濃く、今日でも万灯が立ち夜店が出、界隈は夜通し賑わいます。
一般の日蓮宗末寺でもこの法会は行われ、お寺だけでなく「講中」に加わっている一般家庭でも、この行事を行っているところがあります。