「六月会」 (みなつきえ)
 

 六月四日は、伝教大師最澄の忌日です。
真言宗とともに、わが国の仏教を代表する天台宗の開祖であり、その比叡山延暦寺は、日本仏教の母山といわれるほど、後の鎌倉新仏教を輩出させる土壌となりました。わが国の仏教史上忘れられない存在です。
 
 伝教大師の亡くなられたのは、弘仁十三年(822)でしたが、その翌年から営まれ、天台宗における重要な法要として継承されてきました。
 中世の頃、比叡山では六月三日を最終日とする二週間にわたって、法華十講という講義が行われ、翌四日に宮中から勅使がさしむけられて、法要が営まれましたが、室町期には四日間に短縮され最近では三日、四日両日になったといわれます。

 比叡山では、伝統のように講義や論議が行われますが、一般寺院では「大師講」で親しまれ、斎(とき・食事)を共に戴き、お説教を聞く法会が開かれるようです。
「伝教会」「山家会」「長講会」ともいいます。