その他の環境整備【342】
支柱付下肢装具
〜介護現場での応急調整・その3〜
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両側支柱AFOとか支柱付き短下肢装具とか呼ばれている装具の話題になります。
今回紹介する特集は、装具が壊れる可能性が大なので決して真似しないでください。
研究所による「決してやってはいけない事例」として紹介しています。
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↑「装具をつけている足が痺れて痛いと訴えられて困っています。」と、
リハスタッフの相談を受けて急遽、状態を見せてもらうことになりました。
早速、皮膚の状態など確認するために素足になってもらいました。
↑よくみると、支柱部分がかなり食い込んでいます(見やすくラインを引いています)。
装具採型時よりも、浮腫んだり、筋肉がついてくるとサイズが合わなくなります。
支柱周辺の圧迫が主な要因の一つであろうことは場所的にも理解できたのですが、
この方は、頻繁に病院に通っているわけでなく、ましてや装具屋さんに会って
簡単に調整してもらえるような環境でもありませんでした。
最近はこの痛み(痺れ)によって立位・歩行訓練にも消極的になってきたため、
ご本人に承諾を得て、この場で何とか応急的に処置することにしました。
↑近くにあった椅子の硬い角や・・・、
↑手すりなどの角に押し当てて・・・じわっと押し広げます。
実は、この黒い革で覆われた中には「半月」と呼ばれる金属の支えが
入っています。この金属部分を無理やり広げるわけです。
金属なので金属疲労で折れてしまう可能性もあるのため要注意です。
本来は、専門の方が半月そのものや位置を変えたり、支柱を含めて曲がりを
三次元に微調整しないと壊れたり、軸がズレるため決してやってはいけない方法です。
昔、何度か装具屋さんに調整してもいましたが、工場でないと難しいと言っていました。
↑いくらか広げることはできましたが、支柱があるためこの程度が限界です。
それでも痛みはだいぶ楽になったとのこと。
↑わかりやすいように輪郭をなぞってみましたが、
ほんの僅かなので視覚的にはかなり分かりにくいと思います。。。
半月を少々広げるという一時的で強引な応急処置ではこれが限界です。。
支柱付き装具はアライメント調整がかなりシビアなので調整はプロに任せましょう。
この方は現在、身障手帳で別装具を申請中なのでもう少しの辛抱です。
介護型 〜システムでよりよい未来へ〜
リハビリシステム研究所
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