その他の環境整備【325】
ゆるゆる杖
〜転倒危険大のストラップ〜
--------------------------------------------------------------------------------
以前も特集した記憶がありますが、T字杖ストラップの「ゴム緩みズリ落ち問題」は
30年位前からあります。製造業者は知ってか知らでか、全く手つかずの状態です。
簡単に緩むゴムは下にずり落ち、足が引っ掛かって転倒する危険性大なのです。
ユーザー、関係者はもっと声をあげて改善してもらいましょう!
--------------------------------------------------------------------------------
↑某施設で評価した方が使っていた杖です。
画像の継ぎ手位置で止まることも多いですが、ひどい時には一番下まで落ちます。
今回は、一番下である「B」の位置にまで「A」の場所からずり落ちていました。
いつ足がかかって転倒してもおかしくない、危険状態で歩行していたのです。
ストラップに物をぶら下げているのも、尚更落ちやすくなっている要因です。
↑一番下にある杖先ゴムは先太なので、伸びたストラップでも抜けません。
そのため、この位置の状態で歩いていたわけです。
とりあえずストラップを外すため、杖先ゴムと一緒に引きぬきます。
↑ゴムの張力は全くなくなり、完全に伸びきっています。
これを杖に戻したとしても直ぐに落ちてくると思われます。
評価が終わって、「はい、じゃあ気をつけてねぇー」と、このまま形だけ戻して
持ち帰っていただくことは絶対に避けなければなりません。
「直ぐに買い替えてね」とか、「根元を縫ってね」と言っても直後に忘れてしまったら・・・
このまま危険状態が続いて、転倒を待つしかありません。
戻さずに抜いた状態でお返しするいう方法もありますが、ぶら下げることにこだわる
ストラップ好きの方も多く、なかなか納得してもらえません。すぐに元に戻されます。
つまり、応急的にでも「気づいたからには何とか対処」するしかないのです。
次の人の評価も待っています。。
この杖だけにかかっている時間は殆どありません。
できれば1分以内になんとかしたい!!
専門家は口先だけではないことを証明せねば!!!
どこにでもあるもので、一瞬で何とかなるもの・・・・・
そんな都合のよいものが手元にあるのでしょうか??
・・・・・・・!!!
ありました!!!!
↑近くにあった、この「輪ゴム」を1本使うことにします。
それでは、早速取りかかりましょう!!
↑「くる、くる、くる・・・パチン!」と根元に巻いて、「はい、おしまい」です。
↑これで足元までストンと落ちるリスクからは当面回避されました。
あとはこの間、早急に買い替える等の対応を本人・スタッフにお願いしました。
【注意】
輪ゴムは劣化し易いので、あくまで一時的な対応です。
介護型 〜システムでよりよい未来へ〜
リハビリシステム研究所