その他の環境整備【302】


     歩行器と重心

    〜歩行器のバランスは大丈夫?〜


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 歩行器は歩行移動時にバランスを安定させて、転倒を予防するものですが、
 歩行器のバランスが悪いと、逆に転倒のきっかけをつくることに繋がります。

 折りたたみ具合や本体の重さ、サイズなどに気を取られて、意外に気がつかない
 「本体の重心バランス」という視点でのチェックについて取り上げたいと思います。

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↑某デイの利用者が使っていたリースの歩行器です。





↑ボタン1つで・・・





↑簡単・スムーズに折りたたみができるように作られています。





↑ただ、気になったのが、この黒いフレーム部分です。





「磁石」を使って説明したいと思います。





↑「ピタッ」と張り付きます。ここの黒い部分はスチール製なのです。
他の部分はアルミで作られているので張り付きません。

折りたたみ部分を頑丈につくる・・・という目的は良いかと思いますが・・・・





↑前方にのみ重たいスチールフレームを採用したことで・・・
前が重すぎてしまい、軽く持ち上げると前部だけ床に残ってしまいます。

このような歩行器を使用する方は、腕の力も弱いことが多いので
持ち上げが不十分で先が引っ掛かってしまうことも考えられます。

そのまま前方に倒れ込むと危険なので、この歩行器は即交換としました。
(実際に転びそうになったことが何度かあったそうです。)





↑通常の歩行器でも前方がやや下がり気味になることが多いですが、
極端に重心が前だと、カーペットの縁など軽い段差でも引っ掛けてしまう
可能性が高くなるので要注意です。


本来はメーカーが重心位置にこだわって、握り手の位置を少し前にずらすとか、
材質そのものについても、移動の安全を第一に開発してもらえば良いのですが・・・。
(この製品は折り畳みジョイントと干渉するので、握り位置は前にずらせないと思います。)

最近の福祉用具は現場で把握できないほど数多くの種類が出てきていますが、
本当に現場の意見を聞いて製品化したのか首をかしげてしまうものもあります。

設計・デザインにこだわりすぎて、ユーザーの使い勝手がなおざりになっている・・・
そんな製品もありますので、専門家の意見を良く聞いてリース・購入しましょう。








                                (介護型リハビリシステム研究所)



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介護型リハビリシステム研究所
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