その他の環境整備【298】
コルセット
〜金属枠体幹装具の調整〜
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高齢者は骨密度が低下して、胸腰椎部分に圧迫骨折をおこすことがあります。
この場合、安静・安定を保つために柔らかめ〜硬めの装具(コルセット)を
装着することになります。
以前使っていた装具を再利用する方もいらっしゃいますが、変形が進んで合わなく
なっていることも少なくありません。施設でできる対応はあるのでしょうか?
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↑プラスチックでない、金属枠のフレームコルセットと呼ばれる装具です。
この方は強度円背があるため、○で囲った部分が喰い込んできてしまいます。
評価時には痛みを訴えて、皮膚も赤くなってきていました。
喰い込みによる痛みがあるため、離床〜座位保持そのものを嫌がります。
寝ている時間が長くなると、体力低下、脳機能低下へとつながるリスクが増します。
始めはクッションを挟み込むという提案をしましたが、クッションの着脱動作が
加わるとトイレ動作などが煩雑になってしまうため根本的解決にはなりません。
そのため、これらのADL・QOLを改善する目的で、
とりあえず当たり(鋭角)部分を緩和するための調整を実施することにしました。
↑コルセット外した状態です。
タオルとレンチ(プライヤ)を用意します。
↑喰い込み部分(既に少し調整した後の画像です)。
角部分の当たりが強いと、ジワジワ圧がかかっていく拷問状態になります。
↑この金属の入っている角の部分を・・・
↑タオルを被せて「ぐい〜っ・・・」少しずつじんわり広げていきます。
↑するとこのように反りができて当たり部分が広がるようになります。
↑反対側も同様に・・・
↑当たり具合をみながら調整していきます。
この後は、痛みの訴えもなくなり、皮膚の状態も良くなったそうです。
【ここがポイント】
( ̄▽ ̄)ノ″
自己判断で無理して行わず、なるべく装具屋さんに調整をお願いしましょう。
処方していただいた医師、専門家、ご本人、ご家族へ確認しましょう。
中の金属は頻繁に調整していると、金属疲労で折れることがあります。
(介護型リハビリシステム研究所)
〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所