その他の環境整備G

  簡易Rバー改造法

「R(アール)バー」って聞いたことありますか?
本来一直線のベットの柵を90度外側に角度調整して、車椅子やポータブルトイレへの
立上り〜乗り移りをし易くした便利な柵です。スイングアーム・介助バーとも言います。
ただ、このRバーは比較的高価なため、なかなか利用者全般には行き渡らないのが
現状です。(1本約4万円もするのです。新品車椅子が1台買えてしまいます。)

今回は、余っていて捨てるだけの一直線柵を何とか、折り曲げて加工できないか??
・・・という現場からの無理な要望と、リサイクル的観点から企画がスタートしました。

     
それでは早速、折り曲げてみましょう!

・・・とは言っても、「言うは易し、行なうは難し」でそう易々とは曲がってくれる代物では
ありません。固定して曲げる為の丈夫なスペースが必要です。。。


↑曲げたい柵はご覧のような一直線タイプ。さて・・・どう料理するか・・・。


↑やっと見つけた隙間に差込み、「うおぉ、、りゃあぁ〜!!!」と捻じ曲げました。
途中までは上手くいったように見えたのですが、突然「ばきっ!!」と音がしました。
よ〜く見ると・・・


↑柵の下側が根元から「ぽっきり」折れているではありませんか!!


↑差し込む向きを変えて2回試してみましたが、2回とも結果は同じ。
溶接部分が引っ張り力に負けるようで、そこから「ぱっかり」と口を開けています。


↑そこで手法を変えました。フレームの方が強いのなら、人工的に弱い部分を
つくってしまえばいいのです。いわゆる、折り代をたたき潰してつくります。
(これは耳が痛くなります。ティシュでも何でもいいので、必ず耳栓をしましょう。
グラインダーで切れ目を入れてもみましたが、これが一番手っ取り早いです。)


↑はいっ!!この通り。今度はきれいに、しっかりと曲がってくれました。
スチール製フレームでも、一部分を潰すだけで、体重をかけるだけで曲がるように
なります。⇒逆に言えば、曲げ方向は弱いので何度も力が加わると金属疲労を
起こして、いずれは「ぽっきり」と折れてしまう可能性が高いという弱点があります。
ラジカセのアンテナをポッキリと折ってしまった経験、ありませんか??


↑そのため、この形状を維持させるための補強が必要となります。
材料は、画像の通り。ホームセンターの金具売り場に売っています。


↑金具の角をケガしないように丸く削って、固定用の穴をあけます。


↑そしてネジをしっかりとねじ込みます。
全部、仮止めした後で全体を締め直すとしっかりと固定できます。
たったこれだけの補強で、かなりの強度確保ができます。


↑・・・と、言うわけで量産態勢に持ち込み、一気に5個程仕上げました。
画像では3個しか写ってませんが・・・。固定金具周辺は、ケガ防止にビニール
テープなどをグルグル巻いておくと安心して使えます。
(現在、介護現場で試行中です。もし、何か問題が出たら報告します。)

注:手すりが外れないようベッドに紐などでしっかり固定して使用する必要があります。
また、手すりに全体重をかける方には使わない方が安全です。あくまで移乗の為の
補助的な道具です。無理な外力にも限界があると認識してください。
ホームページ全般に言えることですが、自己責任において製作・試用してください。




                                (介護型リハビリシステム研究所)
ガン! ガン!!
  ガン!!!
↓人が乗る
↑力任せに上げる
 実験として一時的に行った報告です。
 危険ですので真似をしないでください。
   (現在は現場で使っていません)