<危惧なる器具>

   
   ポータブルトイレ

今回新しく始まったシリーズ「危惧なる器具」。
このシリーズは介護用品でこれってかえってキケンじゃないの??
というものを、多少の偏見もあるかもしれませんが特集いたします。

施設や自宅で昼間は普通のトイレだけど、夜間はポータブルトイレを使っている・・・
というのはよくある話です。
一昔前のポータブルトイレは足を引くスペースもなく(床に向かって末広がりタイプ)、
『こんなんじゃ、だめだー!!立ち上がれないじゃんかー!』と業者つかまえては文句
言っていたものです。最近は、より安定したきれいな家具調タイプが多く出回るように
なり、足を引くスペースも十分で高さ調整も楽にできるようになりました。
(足を引けないポータブルトイレはまだ数多く出回っているようなので気をつけましょう。)

足を引けないと人間は重心を前に移動できず、立ち上がることができなくなるのです。
ためしに、足を前にだして椅子から立ってみて下さい。



今回の危惧なる器具は以下の物品です!!

一見、安定した丈夫そうなポータブルトイレに見えます。



↑この画像は 座る時に、手すりに左手が届かない(届きにくい)という様子です。
左右の手すりの長さを比較してみてください。

ここに手をかけようとするには体をむりやり捻って、
一生懸命手を伸ばさないと無理なんです。
そんな動作を夜中にやろうとすること自体、危険極まりないのです。
ましてや、フタを開けてズボンを下ろした状態なら、尚更危険と想像できます。


↑立ち上がる際もこんなねじれた中途半端な姿勢になってしまいます。。。


↑かといって、手すりを前に出せる構造にはなっていません。
左右の手すりを交換できるだけです。
お尻を滑らして移乗(乗り移り)できるように考えてあるのかもしれませんが
認知症状が多少でもあると、そう上手くは使えません。
そもそも、フタが開いていると穴が中央にパッカリ開いているので横滑り動作は困難です。



↑しょうがないので、この方には少々古いタイプを使ってもらうことにしました。


追記:

昨年末、恐れていた事故がおこってしまいました。
「 別の居室」で今回の問題ポータブルトイレを使っていた方が、
ポータブルトイレごと転倒して寝込んでしまったのです。
当初、なぜそのような転倒事故がおこったのかわからなかったのですが、
利用者が元気になってくるにつれて原因がつかめてきました。

それは、片方の手すりにしか手が届かないので、そこに移ろうと両手をついて体重を
かけたとたん、外側にポータブルトイレが傾き、一緒に転倒したということらしいです。
原因がつかめたので、トイレとベッドは取りあえず丈夫な紐で縛って固定しましたが、
いずれにせよ、危険なトイレであることは確かなようです。


                                     (介護型リハビリシステム研究所)