その他の環境整備E
トイレ環境整備法・パート1
さて・・・・・今回はすごいですよ。
これをやったPT(理学療法士)としては、日本初…いや、世界初かも(?)。
介護職員から、「ある利用者のトイレ移乗介助が大変なんです。何かいい方法は
ありませんか?」との相談をうけました。
その利用者は筋無力症という病気で、徐々に筋力が低下し続けている方なのです。
今迄できていたことができなくなってしまうので、なるべく環境を整えて対処していく
必要があります。
職員の移乗動作介助方法には問題はなく、しかるべき場所に手すりもついています。
車椅子から便座よりも、便座から車椅子が困難な状況でした。
観察すると、車椅子よりも便座がやや低いようです。
筋力の低下している人は、少しでも低い座面からの立ち上がりは大変なので、
便座を僅かにでも高くできれば、改善は期待できます。
では・・・便座を高くするには、どうすればいいでしょう??
@便座自体を高いのに取り替える。
Aトイレの基礎(土台)を高くする。
B便座に何か乗っける。
トイレ自体を高くするのは、背の低い利用者も使うということで、ボツ。
便座に何か乗っけるのも、いちいち大変という意見が返ってきました。
予算もなさそうだし・・・・・八方塞がり・・・・??
トン・・・・トン・・・・トン・・・・トン・・・・
「あわてない、あわてない、一休み、一休み・・・・」(一休さんのアニメを思い出して)
ちーん! (o^-’)b コレシカナイ!
↑余っていたフタです。これを利用します。
ふっ、ふっ、ふっ( ̄∇ ̄ )
↑おおよそ7cmの幅で実際の便座と比較しながら・・・
↑鉛筆で下書きします。イメージわいてきましたか?
↑マジックペンでよく見えるように、ラインを書きました。
↑さて・・・と。屋外で準備完了です。
↑摩擦熱で融かすように切り取ります(融けた臭いがキツイので必ず屋外で)。
↑何とか窓を開けることに成功!!!!
↑内側から仕上げ削りをします。ケガをしないように注意して・・・・
↑慎重に面取りをします。(微妙な所なのでスイッチを切って撮影)。
↑ヤスリでギコ、ギコ、粗い面をキレイに仕上げます。
↑何とかできました。これが「フタ」だったなんて・・・・・。
↑裏はこんな感じですね。
↑2.7cm程度高くなりました。「たかが・・・されど・・・」の世界です。
↑では早速、フタを取替えましょう。
↑裏に2本のネジで締められているので、それを外します。
普通は手で回せますが固い場合は、スパナなどで緩めて外して下さい。
↑外したら真ん中のステンレスの芯を抜き取ります。
↑そうすると、このようにバラけます。
↑取替えて元にもどします。多少色が違うのはご愛嬌。区別もつきますし♪
↑こんな感じになりました。素晴らしい。売り物みたい・・・と思ってるのは自分だけ?
←開くとこんな感じですね。美しすぎる・・・。
これだと、必要なときに簡単に使えますし清潔です♪
【注意】
グラインダーの作業は大変危険です。
参考にする場合は、自己責任のもとで安全に十分気をつけて行いましょう。
(介護型リハビリシステム研究所)
ネット公開日:2003.11.13