その他の環境整備【147】


  非常用バッテリーシステム
    「シルバーあんこう」


    〜計画停電を如何に乗り切るか〜

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     今回の震災で被災に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。。

     関東では、電力不足のため「計画停電」を実施することになりました。
     現在、私が勤務しているのは介護老人保健施設ですので
     停電時の「灯り」と「吸引」用の電源の確保が問題となります。
     当初は、発電機を動かすことになっていましたが、音と臭い、
     ガソリン不足の問題から、継続に難があると考えました。

     そこで、今回はこのようなケースを多く抱えた施設も多いと考え、
     急遽考案した「非常用バッテリーシステム」を紹介したいと思います。
     ここで取り上げている内容を、もし参考にする場合、必ず当ホームページ
     を参考にした旨を添えていただけるようお願い致します。
     
     各種大会・研究会などでの発表前ですが、多くの方に参考になるようにと
     即日公開いたしました。類似の発表等はお控えください。
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       家庭用電源システム つくりかた 方法 簡単 シルバー・アンコウ

 

↑今の関東では何を買うにも大変です。
思いついた機器(材料)も実は既にホームセンターにはありませんでした。
しかし、「バッテリー」はまだありましたので、有効に使うことにします。

この「計画停電」は最大で3時間とのことです。
うちの施設は1階と2階で吸引器を使っていますので、各階に必要です。
職員に講習して周知するため、半日で2台つくることになりました。

 

↑用意したものはバッテリー(自動車用)、AC・DCインバーター(車用12Vバッテリーを
家庭用100Vに変換する装置)、バッテリー充電器、バッテリー端子、電球とソケットなど。

インバーターは吸引器消費電力が65Wですので、余裕をみて100Wタイプにしました。
(・・・というか、たまたまそのタイプを2個持ち合わせていただけなのですが・・・)


 

↑はじめは台車に固定しようと考えていましたが、古くてガタガタと音がするので
倉庫の奥に眠っていたシルバーカーを使うことにしました(車いすでも代用可)。
前輪がシングル固定のため、直進性はよくても、方向転換が大変なタイプです。
そのため使いづらくてしまっていたのですが、意外なところで役立ちそうです。


 

↑背もたれポケットに松葉杖を一本差込みます。
そして、バッテリーを座面(人が腰掛けられるようにできているため丈夫)に固定します。


 

↑松葉杖のゴム先には、電球を差し込むソケットを固定します。


 

↑次にバッテリー端子に固定する金具と12V用ソケットを取り付けます。


 

↑このような感じになります。


 

↑プラスとマイナスを間違えないようにします。


 

↑背もたれポケットに、AC・DCインバーターを固定して、先ほどのソケットに
差込みます。
このソケットにはブルーのLEDが常時点灯していますので、スイッチ部分を
常に明るく照らすようにしました。LEDの消費電力は微々たるものです。


   

↑とりあえず完成しました。シルバーカーだけに「シルバーあんこう」と名づけます。
かなり明るいです。60W蛍光灯タイプ(消費電力12W)で、電球色を使用しています。
電球色の方が暖かな感じで落ち着きますし、LEDだと広範囲を照らせないからです。


 

↑一号機と二号機(ただ、この言い方・・・今はあまりつかいたくはありません。。)


・・・これだけでは、いつかは電気が空になりますので補充(充電)が必要となります。
車用バッテリーは過放電(使いすぎ)をおこすと、次からきちんと充電できなくなります。
そのため、ちょくちょく充電することが大切なのです。


 

↑そこで充電器が必要となります。


 

↑このように家庭用電源に差し込めば充電できるというわけです。
(過充電に注意しましょう。水素ガスが発生して危険です。
当施設では最高でも充電は6時間、途中で充電目盛りを確認することに決めました。)


 

↑今度こそ本当に完成!!
この後、3時間の連続点灯実験と、吸引(3回)を実験しましたが
何ら問題はありませんでした。


 

↑充電の様子は目盛りで確認できます。赤のラインから外れればOK。
(これは3時間耐久テスト後に、充電をはじめて10分後のもの。)


 

↑使用方法を印刷してラミネートし、分かりやすい場所に下げておきます。


 

↑職員を集めて取り扱いを十分に説明した上で各現場に配置しました。


 

↑吸引時の様子。手元が明るく確認できます。


※色々とご意見があるかと思いますが、あくまで緊急時の対応システムです。
目の前に痰がつまって命に関わるような状況の場合、停電時は対応できません。
利用者や、スタッフの不安・ストレスを少しでも和らげる目的でつくりあげたものです。

気づいた点などありましたら、追加で報告したいと思います。 2011.3.15
(今しがた静岡でも6強の地震があったとニュースが流れています・・・心配です。)


                    【結果】

:
       結果は・・・大成功!

 
「かなり明るくて助かった」「廊下の奥まで照らしてくれた」「安心できた」
 「あれがなかったら業務もできなかった」
 「既存の非常用は徐々に暗くなってくる中、これは明るくてとても助かった」など




                   【応用の仕方】

●送迎車や職員の車に備わっているバッテリーを一時的に取り外しても可能です。
3時間使用した後に車に戻して、エンジンがかかれば普通に使って充電できます。
(この場合、もしエンジンがかからなかった場合も考慮して、非常用バッテリーケーブル・
ブースターケーブルを用意しておくことをおすすめします。
また、使用するバッテリーは複数の車でローテーションすることをおすすめします。)
●AC・DCインバーターについては、既に販売店では完売かと思います。
しかし、職員の中には必ず私のように車の中に所持している者がいると思います。
職員、家族の方に聞いてみてください。多少の配線もできると思います。
配線が困難な場合、材料を含めてカー専門店(ホームセンター)の店員にご相談下さい。



                   【主な注意事項】

●バッテリーは傾けたり、倒したりしてはいけません。
●過放電はバッテリーの寿命を早めます。
●バッテリーからは水素ガスが発生します。密閉した場所、火気のある場所では
使用を避けましょう。
●バッテリーには希硫酸が入っています。液に触れると失明や火傷の原因になります。




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<燃料を使ったエンジン式発電機を使う場合>
計画停電中に室内で「エンジン発電機」を使い一酸化炭素中毒になる事故が相次いで
いるようです。エンジン式の発電機は必ず風通しの良い屋外に設置しましょう。
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                                  (介護型リハビリシステム研究所)



〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所
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