その他の環境整備【137】


    似て非なる歩行車

    〜歩行車の使い勝手と選び方〜

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   ある日、某所で利用者の評価をしている時に、その方の歩行車が
   通常の歩行車と基本的構造が違うことに気がつきました。
   (基本的に評価をするときには、その方の身体面だけでなく、普段使っている
   装具や靴、杖、歩行器、車いすの状態をチェックするように心がけています。)
   ひょっとして、他にもこのような製品が出回っている可能性があるかも・・・
   そう思って取り急ぎ特集を組んだ次第です。。
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↑これが、「おや?」と感じた歩行車です。リース品とのことでしたが・・・




↑以前、取り上げたこの歩行車に非常によく似ています。


この2枚の画像だけで、決定的な違いがわかった方はすごいです。
「カゴ」とか「色」とか「ハンドルの形状」といったものではありません。


  ●ヒント:歩行車だけに歩行に関係します。


         ・・・・・・・ (´Å`)・・・・・・・わかりましたか???


それでは早速、違いについて説明したいと思います。 ( ̄▽ ̄)ノ″

この歩行車は両方とも、休憩に使える椅子が付いています。
同時に、背もたれとなる部分もついています。

以前も説明しましたが、リース(レンタル)の対象となる歩行車(車輪付き歩行器)は
厚生労働省が、介護保険法第7条第17項の規定で
「体の前及び左右を囲む把手などを有する」
              ・・・と定めているのでこのような形状になっているわけです。





↑中央にある四角型の黒いシートは休憩に使える腰掛けです。




↑このタイプにも同じ物がついています。
(「故障中」の札がついていますが、使い回しの画像なのでご了承下さい。)


次に、このシートを持ち上げてみましょう。。。




↑このようになります。もう片方は・・・というと・・・。




↑このようになっていいます。

ここに何の違いがあるかといいますと。。
「足の振り出し易さ」、「方向転換のし易さ」にあります。
シルバーカーでも足が余裕をもって前に出せるかというのは大きなポイントですが、
歩行車を使うレベルの方は、より自由度が高く安定性の高いものがよいと考えます。




↑この画像でおわかりいただけるかと思いますが、歩行車に体を近づけて
足を上げようとするとフレームに足が干渉します。
つまり、意識して体を後ろに引いて操作しなくてはいけなくなります。
歩行車から体を離すと一気に操作性・支持性・安定性が悪くなります。




↑後者の歩行車はこんなに自由度が高いんです。


一見よく似た歩行車ですが、これだけ違うということをよく知っていただき、
できれば実際に操作してみて自分によく合う福祉用具をリースして貰いたいと
思います。本人の姿勢・体型・能力などによってタイプが違ってきます。

このように管理人も今更のように気づいたくらいですから、
福祉用具は「似て非なるもの」が他にも多々あることが考えられます。
もし気が付いたら、早めに紹介していきたいと思います。

リース該当の規定にしても、もう少し利用者の立場で定めてもらいたいものです。
前方の把手にしても、立位で上体を支えられる構造でないと意味がありません。

福祉機器が使いづらいと感じたら、無理して使い続けずに担当者に相談して、
他の商品も幾つか試してみることをおすすめします。
(商品を幾つか試させてもらえる利用者に優しいリース業者を選ぶと安心です。)






                                  (介護型リハビリシステム研究所)


〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所
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