その他の環境整備【134】
プラスチック短下肢装具
〜ポリプロピレン製AFO・型取り〜
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プラスチックの足関節装具は、装具としてよく製作され使われています。
時々、特殊な足継ぎ手のついたもの等を見かけますが、基本のかたちは
何十年も同じで殆ど変わっていません。
脳外科で一人職場で勤めていたときには週に平均5本くらい作成して
いましたので、装具屋さんに「ドル箱」と呼ばれていました。
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専門家の方にとってはお馴染みとは思いますが、他職種や一般の方もご覧いただいて
いるので、装具ができるまでの様子を3回に分けて特集したいと思います。
短下肢装具はタイプにもよりますが、1.5年〜3年で作り替えができます。
詳しくは
装具屋さん
に聞くか
厚生労働省告示第五百二十八号
等を参考にして下さい。
装具は消耗品です。
無理して使い続けずに定期的に調整・作り替えをしましょう。
今回は身障手帳による装具作成の様子です。
(医療保険でつくる場合も製作の基本的流れは同じですが、身障手帳による
補装具作成については、お近くの自治体に問い合わせてください。)
↑素足で採型します。ここの業者はまずラップで下肢を被います。
そのままだと、ギプスの白い粉が大量に足にこびりついて後の処理が
大変になるからです。
そして、ヒモを仕込みます。これを忘れると後で大変なことになります。
↑上からギプス包帯をくるくる巻いていきます。
↑足先まできちんと巻いていきます。
↑ここが一番大切です。
足を引いて足関節の角度をきれいにつけます。
この時にきちんと指示を出さないとダメダメな装具になってしまいます。
0〜5度が一般的みたいですが、自分はよく「3度」とお願いします。
仮に0度と指示しても底屈位で仕上がることがよくあるので微妙なんです。
多少の角度は仕上がり後にヒートガンで調整できなくはないですが、
見栄えが悪くなったり、強度が落ちたりするのでおすすめしません。
↑ペンで印をつけていきます。合わせマークとなるものです。
↑数分後ある程度固まったら、ヒモを引きながらギプスをカッターで
カットしていきます。ここでヒモを忘れたことに気づくと大汗の作業になります。
↑足先近くまでカットしましたら・・・
↑切り口の上から「ぐっ、ぐっ」と開いていって・・・
↑「スポン」と抜き取ります。
↑すぐに合わせマークにあわせて、装具の形を整えます。
この時、ギプスの足関節部分が壊れてグラグラしているようなら、
あまりよい装具はできません。作り替えてもらいましょう。
装具屋さんはこれを持ち帰って、
このギプスの中に石膏を流し込んで、足型を取り、ポリプロピレンを
吸着させてカットしていくというわけです。
<仮り合わせは次回掲載します> ^o^)σ
(介護型リハビリシステム研究所)
〜システムでよりよい未来へ〜
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