その他の環境整備【130】
介助バーの故障
〜原因と対策について〜
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介助バーはベッドから安全に立ち上がって車いすやポータブルトイレに移乗したり、
ベッドへ移る際にも欠かせない器具として定着しています。
毎日使うものなので、転倒リスクを減らすには確実な固定と使用が必要です。
今回はその介助バー(手すり)の調子が良くないとのことでチェックしました。
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↑問題の介助バー。
これがしっかり固定できず、かなりガタガタになっていたのです。
現場ではヒモなどでぐるぐる巻きにして何とか固定していましたが、
それでもガタつきが抑えられずぐらついていました。
↑ネジをチェックすると、プラスチックネジの中心にあるボルトが浮き上がって
空回りして締めることができなくなっていました。(右側)
本来ここの中心部にはプラスチックカバーがついていて浮き上がらないように
できているのですが、簡単に壊れてしまうという欠点があるのです。
「これが原因だ!!」と考えて、早速使えるようにします。
↑ネジの回転を復活させる方法はそんなに難しくはありません。
ドライバーなどで、下からぐいっと持ち上げるだけです。
あまり無理やりこじるとプラスチックが割れるので気を付けましょう。
↑はい。持ち上がりました。
合成ゴム系ボンドなどで処理(固定)しておくと浮き上がりにくくなると思います。
↑早速戻して締めてみましたが、残念なことに状況は全く変わりません。
ネジをぐっと締めてもガタガタのゆるゆる状態、簡単に抜けてしまいます。
ここで構造の確認をしたいと思います・・・。
以下はベッド柵の差込口に差し込む固定部分を拡大したものです。
↑ネジを緩めたのが左の状態・・・締めたのが右の状態。
動作は問題ないのですがですが、凸部分の角が丸くなってます。
車いすのフットレスト調整で同じような構造のものがありますが、
引っかかりをよくするためにもっと角が尖っていました。
・・・ですがここまで固定がきかないのは他にも原因がありそうです。
次に調査対象とするのは・・・反対側の部分です。
↑そうです、差込口。
これは
かなり古いベッド
でスチール製でした。中がかなりこすれています。
おそらく、差し込む金属の凸部分が長期にわたって、中の金属を押し拡げたと
考えられます。
・・・それを証明するには・・・
・・・・どうすれば良いでしょう????
そうです!その隙間を補って見ればよいわけです。♪( ̄▽ ̄)ノ″
↑ビニールテープでくるぐる巻きにしてみます。
しかし、この巻き方では差し込もうとすると「端」がめくれて上手く入りません。
それに、巻く回数も微妙であることがわかりました。
そこで方法を変えてみました。(o^-’)b
↑単純にこのように下側から2枚分ペタリと貼っただけ。。
しかし、これが意外に上手くいきました。
がっちり固定ができ、本来の能力が戻ったのです!!!
↑しかし、あくまでビニールテープを介して固定しているので
そのまま使うのは危険です。
ヒモでしっかり補助的に固定して使っています。
※あくまで応急的な手段ですので、参考にする程度にしてください。
このようなケースは早期の根本的な対応をおすすめします。
全体合意のもとで慎重に扱わないと事故につながる危険があります。
(介護型リハビリシステム研究所)
〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所
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