その他の環境整備【119】
課題分析(アセスメント)
〜包括的自立支援プログラムはどうなる?〜
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うちの施設(千葉県)の同僚が、今回のケアマネージャー試験に合格しました。
合格すると研修を受けるのですが、選択する課題分析(アセスメント)方式の中に
「包括的自立支援プログラム」がなぜか含まれていません。
最近、「包括的自立支援プログラム」はなくなったとの噂を聞き、
いよいよ現実味を帯びてきたように感じましたので、あれこれ調べてみました。
大阪府は研修内で「包括的自立支援プログラム」が選択できるようになっているようです。
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課題分析(アセスメント)とは何でしょう??
課題分析(アセスメント)は利用者の問題点を評価・分析するツールで、
介護サービス計画(ケアプラン)作成には欠かせません。
課題分析(アセスメント)には厚生労働大臣が定めた「
標準項目
」というものがあり、
基本的に以下の分析項目を具備している必要があります。
これらをまとめたものが各種、課題分析票として使われているのです。
『1.基本情報に関する項目』
@基本情報(受付、利用者等基本情報)A生活状況 B利用者の被保険者情報
C現在利用しているサービスの状況 D障害老人の日常生活自立度
E痴呆性老人の日常生活自立度 F主訴 G認定情報 H課題分析(アセスメント)理由
『2.課題分析(アセスメント)に関する項目』
@健康状態 AADL BIADL C認知 Dコミュニケーション能力
E社会との関わり F排尿・排便 G褥瘡・皮膚の問題 H口腔衛生
I食事摂取 J問題行動 K介護力 L居住環境 M特別な状況
以上の内容に基づく課題分析(アセスメント)票は様々なタイプが存在しています。
「
課題分析標準項目
」をきちんと取り上げていれば、どんなものを使っていても問題はありません。
「包括的自立支援プログラム」とは何でしょう???
「包括的自立支援プログラム」とは、「三団体ケアプラン策定研究会方式」ともよばれ
『全国老人保健施設協会 』・『全国老人福祉施設協会』・『介護療養型医療施設連絡協議会』
以上の三団体が共同して開発してきたケアプラン作成方式です。
・・・ですので、おそらく全国の多くの老人保健施設等がこの方式でやってきたと思います。
急に「消えてなくなる⇒使えなくなる」ということは考えられません。
●●全老健に電話で質問してみました●●
内容をまとめますと、「包括的自立支援プログラム(三団体ケアプラン策定研究会方式)」は
なくなった・・・ような印象をうけました。
しかし、大騒ぎするような内容でもなさそうです。
具体的には「三団体」そのものが、役割を終えたという理由で「解消」されたそうなのです。
つまり、「三団体」がなくなったので「三団体ケアプラン策定研究会方式」は過去のものとなり、
「包括的自立支援プログラム」も過去のもの・・・という感じになってきているようなのです。
ただ、これを機会に全老健は「包括的自立支援プログラム」に代わるものを検討している
最中とのことです。基本的には大きく変わらないそうですが、2010年3月くらいにはお伝え
できそうとのことでした。それにあわせて新しいテキストも準備しているそうです。
名前も『
R4方式
』(2010年1月上旬の情報)というものになると聞きました。
しつこく確認しましたが、
「包括的自立支援プログラム」は今後使い続けていても「
何の問題もない
」とのことでした。
ご安心ください。 (´▽`)ノ
ただし、今後は改訂版も何も出ないでしょうし、古さは否めなくなるでしょう。
現に、ケアマネ実務研修でも課題分析ツールに含まれなくなってきました。
普通に考えればよいことですが、課題分析(アセスメント)ツールは環境として必須ですし、
情報がなさすぎだったのであえて取り上げました。
(介護型リハビリシステム研究所)
〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所