その他の環境整備【84】

  浴室手すりの整備 その1 

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  最近、環境に関する相談内容が増えてきています。
環境相談員か?と一人つっこみしたりして・・
  介護度の高い利用者が増えてきて、今までできていたことができなくなって
  きていることや、施設の老朽化が原因ということもあるようです。。
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浴室内整備シリーズ・今回は浴室内の手摺についてです。
通所のスタッフから手すり位置について難題を持ちかけられました。

「手摺の取り付け場所が悪いんです。何とかできませんか???」

これも、『普通、PTに頼むようなことじゃないだろ!』と思いつつ・・・
とりあえずどんなものか現場をみてみようと足を運びました。 ( ̄w ̄;)ゞ




↑手摺の配置状況・・・
両脇に2つの浴槽があって、間に洗い場があります。
画像そのものが見え辛いですが、手摺りをよ〜く見てください。
ダウトがあるのがわかりますでしょうか?

      【答え】



↑左の洗い場は、正面に横手摺りがありますが、
右には縦の手すりしかありません。なぜか2本が縦列で綺麗に並んでいます。

ここで右麻痺の人を洗った後、立ち上がってもらう時に手摺りがなくて非常に
困っているとのことでした。




↑とりあえず、縦の手摺りがどのようについているかバラしてみます。
このキャップ部分をペンチで左に回すと・・・




↑このような太いネジが1本現れました。




↑ソケットレンチでネジを左に回すと簡単に外れました。
この程度の固定で大丈夫なら、何とかなるかも知れません。

(※浴槽の壁はタイプによって薄かったり、
材質が異なったり様々です。
基本的に業者と相談して、お願いするのをお勧めします。)





↑壁に1箇所だけコンクリート用ドリル刃を使って慎重に穴をあけます。
ネジのサイズより僅かに小さくないとしっかり固定できません。
小さすぎるとネジを捻じ込むときにタイルが割れてしまいます。




↑安全の為、コンクリート用ボンドをボルトに塗ります。




↑ボルトを慎重に締め付けます。
(締めすぎるとタイルのネジ山をナメたり、割れてしまうおそれがあります)




↑ボルトがきちんと固定できました。




↑キャップをきちんと締め付ければ完成です。




↑このように、ごく自然な感じにしっかりと仕上がりました。
(もう片方の取り付け場所は変更せず、そのまま使っています。)




↑元の穴を塞ぐのはどうしようかと迷いましたが、
車椅子のシート固定用ネジにビニールテープを巻きつけて・・・




↑捻じ込みました。これである程度の防水効果を期待します・・・。


これで利用者や職員(介護者)の危険性が少なくなりました。
その後、数ヶ月経過しましたが問題なく現場で使っているようです。


【注意】
今回のケースは安全に十分配慮して行っていますが、
あくまで自己流です。安易に真似をすることはやめましょう。
もし、参考にする場合は自己責任で、管理者に相談の上、
十分に注意して行いましょう。





                                (介護型リハビリシステム研究所)

〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所
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