その他の環境整備【81】
バスボードの製作・その1
「
その他の環境整備
」では前々回から入浴補助用品の特集を組んでいます。
通所スタッフや当施設のOTから入浴介助の方法について指導依頼をうけ、
実際に入浴現場に入り現状を見て愕然としました。
問題の介助方法は、その場でセッティングを変えたり介助指導するなどして
とりあえず解決しましたが、その他にも色々な問題点を見つけてしまいました。
見つけてしまったからには見て見ぬふりもできませんので早速環境改善です。
片麻痺で重度の方や、足腰の弱った方が湯船に入る際に便利なものに、
「バスボード」「渡し板」「浴槽ボード」「入浴台」などと呼ばれる板があります。
非常に単純な構造なのですが、まともに購入すると2万円前後してしまいます。
※在宅で要介護認定を受けている方は、特定福祉用具に含まれますので、
1割負担で購入ができます。ケアマネージャーまたは行政にご相談ください。
・・・既存施設には購入補助はありませんので、作ってみることにしました。
↑通所用お風呂の一部。
「入浴台」に「浴槽手すり」がついています。
ブルーの浴槽内椅子がありますが、驚いたのはこの使い方。
軽介助の方はこの場所で「踏み台にしてまたぐ」という出入り方法を
やっていました。いくら軽介助でも狭い台なのでまたぐ動作は危険です。
基本的に「入浴台」に腰掛けたまま、向きを変えて出入りするのが一番です。
麻痺が重度の方などは、湯船の中に入ってから再度向きを修正するのが
結構大変なようです。緊張するとますます体は硬直して動かなくなります。
↑そこで、今回ホームセンターで購入した材料は・・・、
@
風呂用スノコ(ヒノキ製)
A補強用の板
Bステンレスネジ
それでは
早速、製作します!
\
(≧∇≦;)
↑そのまま乗せるとサイズ的に無理がありますので、加工します。
↑まず、両端の板を外しました。
釘が板にくい込んでいるので表からは上手く抜けません。
そのため、カナヅチで叩いて外します。
↑板を外せたら、曲がった釘をペンチで起こします。
↑釘が起きたら、カナヅチで叩いて反対側に出します。
↑後は、ペンチで釘を抜いていくと比較的綺麗に外せます。
↑次にスノコを縦にカットします。
↑横もカットします。釘穴よりわずかに内側をカットしたので見た目は綺麗です。
↑裏はズレないように、湯船の内側の縁に合わせて板をつけます。
体重のかかる腰掛け部分は体重で歪むため補強も必要になります。
↑表からだとこんな感じに仕上がりました。
↑このようにセットします。
「入浴台」の固定金具が浴槽の縁に引っ掛けてあるので、スノコの隙間へ
微妙に削って金具を挟めるように処理するのがちょっと苦労しました。
この金具のおかげでスノコ(この時点ではバスボード)は更に安定しました。
↑使わない時や、湯船の中に浸かるときは手すりにかけておけます。
これにて完成! d(*⌒▽⌒*)b
【使ってもらってみて】
やはり、歩行困難な要介護の方にはかなり好評でした。
介護職も入浴介助が安全で楽になったとのこと。
このまま様子をみて使ってもらうことにしました。
※釘の場合は何度も使っていると、歪み戻りで浮き上がってきます。
丈夫なネジ(できればステンレス)で、しっかり固定する必要があります。
※スノコが残り半分ありますから、もう1つ別なバスボードを製作します。
今回製作したのは、「入浴台」の延長としてのバスボードでした。
次に製作予定なのは、他の浴槽でも使える汎用タイプ。
「その2」として、そのうちに紹介したいと思います。 (´▽`)v
自己流第二弾!
(介護型リハビリシステム研究所)
〜システムでよりよい未来へ〜
介護型リハビリシステム研究所
●「入浴補助用具」新企画
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