その他の環境整備【57】
いまどきの杖 その2
※その1では、高価な1本1万円の「ピン」杖を紹介しましたが、
今回はその杖とは価格的に2桁も違う「キリ」の立場にある(?)一本杖、
おそらく一度でも見かけた人は気になったことであろう・・・
「100円ショップ一本杖」
・・・を紹介したいと思います。
仕事柄、多くの方に数多くの杖を紹介してきましたが、
100円の杖を使ったことはありません。
この驚異的価格の100円杖・・・現場では「あり」なのでしょうか?
・・・・当研究所は、できる範囲で検証してみたいと思います!!
10000円あったら100本(!)も買える、この100円杖
店内に置かれた当初から興味があって、いつかはこの特集を!と計画していました。
介護に関わる方なら誰しも(?)興味は持つと思いますが、そのあまりに安い価格から
鼻で笑うか、耐久性に問題あるだろうと疑ってかかってしまう100円杖。
とりあえず真面目に(?)特集を組むのは、ここの研究所くらいでしょう。
(; ・`д・´)
・・・だからといって、100%信用しないでね。
まずは、一般に使われている3000円位の杖と比較してみましょう。
↑上が100円杖、下が3000円位の普通の杖。
(デジカメのレンズの関係で、フレーム中央が多少歪んで見えるかもしれません・・・)
支柱が細いというのが第一印象だと思います。
(・・・ですが、このくらい細い杖も3000円前後で普通に販売されています。)
※ややこしいので上の100円杖を「100円杖」、下の杖を「普通杖」と呼びます。
上側が100円杖↓
下側が普通杖↑
↑杖先ゴムの裏。それなりのつくりになっています。
画像からはわかり辛いですが、直径は上が2.8cm、下が3.8cmありました。
↑杖先ゴムを外して上から見たところ。サイズの違いがわかるでしょうか??
↑フレームの太さもこのくらい違います。金属そのものの厚みも倍以上、違うようです。
↑杖先ゴム、穴サイズの直径は・・・上が約1.5cm、下が1.8cm。
(100円杖の説明書にはパイプの太さは16mmと記載されています。)
この杖先ゴム・・・普通の介護ショップで購入すると定価で300円します。
300円あると、杖先ゴムつきの100円杖が3本も買えます!! (;´▽`A``
(普通杖の杖先ゴムも100円ショップで1個100円で各サイズ売っています。)
【100円杖の注意書き】
↑杖の柄には注意書きが張り付いています。その内容は・・・
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●使用前にひび・割れなどがないか確認して使ってください。
●登山には使用しないでください。
●雨の日は滑りやすいので特に注意してください。
●階段の昇り降り、坂道などでは特に注意してください。
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・・・と書かれていました。
更に、体重のかける場所についても図入りで解説があります。
↑通常杖はこのように、人差し指と中指の間に柄(フレーム)を挟みます。
これだと支柱に比較的真っ直ぐ力が加わって安定します。
・・・ですが、たまに以下のような持ち方をする方がいます。
↓グリップの端を握ると・・・
↑この場所だけを持って押さえる(体重をかける)と、
フレームに曲がりの力が加わって
歪みやすくなります。
画像でもフレーム中央が歪んでいるのがわかりますでしょうか???
説明書には、「この場所を持つと破損や転倒の原因になります」と書いてあります。
更に、杖の長さの調整方法についても書かれていました。
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身長÷2+(1〜3)cm
これはあくまで目安です。実際に握って自分に合った長さを選んでみてください。
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この調整の仕方は私が今まで調整してきたやり方とは異なりますが、
ほぼ範囲内に納まるようです。この計算式で基本的に問題はないと考えます。
【まとめ】
値段が値段だけに、専門家によって意見は分かれると思いますが、
私個人としては、十分使えそうな杖だと考えています。
たかが100円杖、されど100円杖・・・
次の特集では実際に杖を利用されている方に長さを合わせて歩行してもらい、
その感想を聞いてみたいと思います。
(介護型リハビリシステム研究所)