その他の環境整備【49】
プラスチック装具が合わない
足装具のシリーズ、何だかんだで6回目になりました・・・
ちょっと専門的な領域かも知れませんが、知っていて損はない(?)特集です。
プラスチックの足装具が合わなくなる2つの主なケースについて、「その1」と「その2」で
特集したいと思います。
プラスチック下肢装具は軽くて着脱も楽なので、脳卒中の方を中心によく処方されます。
便利な装具も使用期間や状態の変化で、足がむくんだり変形したりして装具が合わなく
なることがあります。無理して使い続けると、皮膚が赤くなったり、擦れたり、硬化したり、
床ずれの様になったりとあまりいいことがありません。
傷みがあると歩くのも辛くなり、徐々に体力が低下して歩けなくなることもあります。
最近では脳卒中の外来リハビリも180日で打ち切りになって、装具を使っている方は
どこへ相談すればよいのかも分からなくなってきたのではないでしょうか?
基本的には装具を作って貰った病院にかかり、装具の補修をして欲しい旨を伝えます。
そこには装具屋さんが出入りしているはずですから、指定された曜日と時間に行けば、
義肢装具士という専門の方が、簡単な修理なら「ちょい、ちょい」と直してしてくれます。
もっと近所で・・・という方は、近所の整形外科や脳外科に電話をして義肢装具士が
出入りしているかを問い合わせて、修理可能かどうか聞いてから出かけて下さい。
身体障害者手帳で作られた方は、手帳をつくった障害福祉課で相談してください。
一部の老人保健施設などの施設にも装具屋さんが出入りしている場合があります。
確認してみてください。
一時的な浮腫みの場合はすぐに調整せず、しばらく様子をみましょう。 (^◇^
;)
一般的優良コメントでした!
それでは本題に入ります
・・・・今回は、当施設の利用者が装具がきつくなって痛いという訴えがあったので、
その時に行なったスタンダードな装具の調整を紹介したいと思います。
ただ、この調整方法は一歩間違うと取り返しのつかないことになりますので、
あくまで参考程度にしてもらいたいと思います。。。
↑まずは、靴や靴下、ズボンなどを全て外して素肌が見えるようにします。
そうすると皮膚にストレスのかかった跡が発見できると思います。
もし、自信がなければ反対の足と見比べてみてください。
↑装具を外すと、矢印部分に皮膚が凹んでやや赤くなっているところを見つけました。
ここの部分が皮膚を圧迫しているというわけです。
つまり、この装具が当っている凸部分を修正すれば、万事解決という理屈になります。
↑まずは・・・装具の出っ張っている箇所をマジックでマーキングします。
(別に、マジックじゃなくてもOKです。マジックの方が分かりやすいので使っています。
修正後はアルコールで拭けば綺麗になります。→たまに跡が残ることもありますが・・・)
↑ここで取り出したるは「ヒートガン!」。
ヒートガンとはドライヤーそっくりですが、半端でなく熱くなる機械です。
これでプラスチック部分を
あつ〜く熱していきます。
●ベルト部分にあてすぎると焦げることもあるので注意しましょう。
●熱しすぎると溶けて
ふにゃ〜となってしまうので注意しましょう。
↑程よく熱しましたら、タオルなどを介して広げます。
●直接触ると確実に火傷をします。注意しましょう。
●広げた後は利用者の足にはめますが、十分に冷めてからにしましょう。
●溶けすぎた状態のまま修正するとタオルの生地が写ることがあります。
何度か調整しつつ圧迫がないことを確認して終了となります。
あまり強引にやりすぎて広げすぎると、他の部分にストレスがかかります。
そうなると皮膚にも装具にもよくありません。 徐々に調整するのがコツです。
在宅などに出向いたときの裏ワザとして「ライターであぶる」という方法がありますが、
ススがついて見栄えが悪くなることかありますのであまりお奨めしません。
それなりのテクニックも必要になります。あくまで最終手段です。
最近のPT・OTはヒートガンを使い慣れていないことも多いので、無理に頼んで
壊されないように気をつけましょう。
妙に言い訳がましい時は失敗してるかも知れません。
(;^_^A
専門家も失敗しないと上手になれないんですね〜・・・要は誰が犠牲になるか・・・
・・・・ちなみに、当施設の利用者へは私がサービスしています(できる範囲で)。
(介護型リハビリシステム研究所)