<危惧なる器具>
危険器具スクープ!!
ベッドの危険空間とは?
今回は、「看護や介護用のベッド(特殊寝台)」について取り上げます。
普段、何気なく使っているベッドですが、そこに危険が潜んでいます。
危険を察知し、リスクをなるべく減らしておくに越したことはありません。
今更、このような特集を組む必要もないと思うのですが、
未だ気づいていない・指導されたことのない現場もあるかも・・・と、あえて紹介致します。
(「常識の範疇などと思っていては、不幸な事故を防ぐことはできない」との考えで・・・)
↑これは最近良く見かけるタイプのベッドです。今回は、このベッドでお話します。
手前の柵はRバー(スイングバーとも、介助バーとも言う、移乗をし易くする柵)です。
当然のことですが、柵はガタつきがなくきちんと固定されている必要があります。
↑その柵(手すり)〜ベッドを真上から見た画像です。
↑最近のベッドはマットからベッドの縁まで結構距離があります。
マットを奥に押して距離を測ると、10cmありました。
乗り移りするとマットは、奥にずれることは良くありますので、
通常この位の距離(空間)が空いていると思ったほうが良いと思います。
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ここで、問題となるのが「この空間」なのです。
ベッド〜車椅子に移乗(乗り移り)する際に、なるべくベッドと車椅子の距離を縮める
・・・と、いうのはお約束ですが、
肝心(かんじん)のベッドマットがこんな奥にあったのでは、
せっかく乗ったお尻が滑り落ちてしまいます。⇒ベッド下への転落を招くというわけです。
(実際にこのベッドで滑り落ちたという報告は何度か聞いたことがあります。)
昔のベッドマットはここまで距離はなかったと思うのですが、
諸機能を追加したり・デザインを求めた結果、
このような「危険空間」を生み出してしまったのでしょうか??
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↑この「危険空間」をなるべく狭める対策として、「反対側空間を何かで埋める」という方法が
有効です。
なるべくマットを手前に引いておいて、奥の隙間(マットと柵の間)にそれを埋めるだけの雑誌
またはバスタオルなどを挟めておくと良いでしょう。
たった、これだけの手間で奥にずれるのを防止できます。
※一番最初の画像は、既に安全対策を施した状態のものです。気づかれましたか?
↑「危険空間」を計測し直すと今度は5cmになりました。
危険な距離を半分に減らせたわけです。
たった5cmと思うかもしれませんが、お尻のズレ落ち防止には大きな5cmなのです。
・・・ですが、5cmのうち、一番外側の装飾用板だけで2cm近く占めることも問題です。
「身近なベッドにも危険が潜んでいる・・・」
と、いうことを理解していただけましたか?
個人的にはこの「危険空間」はゼロにして
貰いたいと思っています。
装飾用の板なんて必要ありません!!!
この他にも、ベッドには色々と危険空間があります。
以前、マスコミでも報道されたことがありますが、どこかの施設でベッドをギャッジアップ
(ベッドで上体を起こす)していたら、片側に2本並べて立てたベッド柵の隙間に
利用者の上体が倒れ込み、首が挟まってそのまま窒息死した事故がありました。
また、ベッド柵の隙間に手が入り込んでいて、それを知らずにギャッジアップしてしまい、
手首を捻って骨折したという事故も聞いたことがあります。
いずれも「ベッドの隙間」が原因です。
「ベッドの隙間=危険空間」
・・・という意識を、医療・介護の現場では常に持つ必要があります。
(介護型リハビリシステム研究所)
介護型 〜システムでよりよい未来へ〜
リハビリシステム研究所
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