新聞紙5枚でつくる「パーキンソンはしご」

 
パーキンソン病による「すくみ足」や「小刻み歩行」の改善手段として
 床に障害物を置いたり、線を引くなどの方法はよく用いられている。
 障害物として、杖や棒を利用することもあるが、踏んだり蹴ったりして
 ズレたり、バランスを崩すことも多い。
  テープなどで線を引く場合は、常に同じ位置で使用せねばならない。
 「パーキンソンはしご」は上記の点をカバーしつつも、安価でかつ簡便
 に製作でき、歩行訓練にも非常に有効であったため報告したい。



         PTジャーナル・第32巻第1号・1998年1月号発表
        第9回全国介護老人保健施設大会・1998年発表
        第13回世界PT学会(WCPT) 1999年5月発表
        第6回千葉県理学療法士学会発表







【必要なもの】
@新聞紙・・・1日分  Aセロテープ   Bホッチキス







【工程@】
新聞紙を広げて 横に(長く)丸め、 セロテープで 留める。
 ※
2本つくり、つなげて1本の長い棒にする。






【工程A】
新聞紙を真ん中 から2つに切る。
 ※
3回繰り返し 全部で6枚にする。







【工程B】
工程 Aの新聞紙を、 切り口から 縦に丸めて、 セロテープで 留める。
 ※
できた6本を工程@の棒に横へ等間隔に取り付ける。





【完成】
3.5mの平行棒に ぴったり収まる サイズとなる。
 ※要らない時は捨てるか畳んで収納できる。



【「パーキンソンはしご」の利点】
@いつでも・どこでも・誰でも製作可能
A足をかけても、すぐに形状が復帰し、 踏んでもバランスを崩すことはない。
B適度な立体感で、収納も容易。
C施設においては、訓練したものを 自主訓練や、移乗手段のおみやげ として渡すことができる。
D自宅利用(例えばベット⇔トイレ)移乗 が自立し易くなり、利用者の意欲が 増す。同時に介護者の負担が減る。
E製作者と利用者の関係も飛躍的に よくなる。



(同じ目的の医療器具は20万円近くするようである。)


の方は、この「パーキンソンはしご」を目の前に置かなければ一歩も足を前に出せない方でしたが、
ご覧の通り すいすい歩行が可能になりました。
一見くだらないように見えるかもしれま せんが、この器具の意義は大きいと 考えます。

実際、発表時の反響も意外に大きく 多くの発表をすすめられました。
見た目は大したことないんですけど・・・。 でも、「
お土産にわたせる」のがスゴイ! と思いませんか??


                 (介護型リハビリシステム研究所)