その他の環境整備【27】

    木製椅子修理法

 今回は、普段から良く見かける「木製椅子」について取り上げます。
 木製品は見た目にも温もりを感じる為、施設でも増加傾向にあります。

 ただ、やはり連日使い続けられると、徐々に「ガタ」が出てくるようです。


ある日、スタッフ室の前に木製椅子が背中を向けてぽつんと置いてありました。
なんでこんな所にあるんだろう??
・・・と、思いつつ数日が過ぎていきました。
その後、良く見ると背もたれの前に「故障」と札が貼られているではありませんか!
誰かが、故障した椅子を置いていったみたいなのです。
粗大ゴミとして、捨てていったのか?それとも修理してほしいのか?よくわかりません。




↑そのままにしておいても仕方ないので、何が故障なのか調べることにしました。
座った感じは何ともないのですが、体を揺らすと共振?して左右にゆさゆさ動きます。
いわゆる「ガタツキ」が発生している椅子でした。




↑横にして前脚を開く方向に力を入れると、このように隙間が見えてくる状態でした。
左右とも同様で、これらの固定が不十分なためにガタが出ているようです。
つまり、ここをきちんと固定してしまえば「ガタツキ」は無くなるはずです。




↑確実に修理するには、多少面倒でも根本的に対処することにします。
一端、椅子の前脚を「外転(横開き)」させて、原因となっている板を取り外しました。




↑両端にべったり・たっぷりと木工用ボンドを塗りつけます。
木工用ボンドの場合は乾くのを待たずに直ぐに固定する必要があります。




↑元の場所に戻したら、このように錘(おもり)を置いて一晩置きます。
翌日、しっかり固定されて「ガタツキ」も一切なくなり、現場復帰していきました。


※ぐらつきがあり、不安定な椅子は(ベッドでも車椅子でもそうですが)、放置せずに
 修理するか、処分するかを早期に決めましょう。事故が起きてからでは遅すぎます。

※当たり前のことですが、木製品には「木工用ボンド」が◎です。「糊」じゃ×です。





                                    (介護型リハビリシステム研究所)