その他の環境整備【26】

  シルバーカー調整法T

 今回は、皆さん良くご存知の「シルバーカー」について取り上げます。
 ホームセンターや大手薬局でも色々なタイプが安価で販売されています。

 医療用とは違い、耐久性は今一ですが、装飾性・実用性に優れています。


「シルバーカー」、「歩行器」、「歩行車」・・・様々な呼び名がありますが、
一般名としては「シルバーカー」で良いと思います。
この器具は歩行能力を補い、社会生活を維持していく意味で実に頼りがいがあります。

これら「シルバーカー」の特徴としては、基本的に疲れた時に休む腰掛けがついていて、
その下に荷室があることです。
至れり尽くせりで、ブレーキも装備され、傘や杖を立てるための場所もあります。
そのうち、水分補給のためのペットボトルホルダーが装備され、携帯電話収納場所や、
果てはナビゲーション(携帯にありますが)まで装備されていく・・・かも、知れません。。。




↑大小様々なシルバーカー。殆どのハンドルは高さ調整が可能です。
高さ的には、軽く肘を曲げた状態で、ハンドルに手が届けば良いのですが、
個人によって、背中が曲がっていたり、腕や脚が変形していたりすると、
姿勢が微妙に異なる場合があります。
実際に操作して、無理のない使い易い高さに調整すると良いでしょう。




↑前輪キャスター部分は、大きく分けて
「固定式のもの」と、「固定と遊動、両方可能なもの」があります。




↑今更、説明する必要もないとは思いますが・・・・・
「固定と遊動、両方可能なもの」には、前輪にロック機構がついています。




↑これは、ロックを下に押し下げることによって、「固定」が「遊動」になる仕組みです。




↑このように、方向が自在に変わるようになりました。

・・・・そして、これからが本題ですが、
利用する方の状態によって、この「固定」と「遊動」をどう設定するか?なのです。


【「遊動」と「固定」のセッティングについて】

シルバーカーのセッティングについては、殆どの専門職は全く無知なのが現状です。
(・・・と、いうか医療用補助具とは違い教科書にも登場しないせいもあるのですが・・・)

この「シルバーカー」。利用する方の殆どが、一度何かを設定してしまうと
それこそ、壊れるまで使い続けるというケースがザラなのです。
(おそらく、買ったままの状態、貰ったままの状態で使い続けていると思います。)

この前輪キャスターのセッティング問題点としては・・・
「固定」にすると、直進性は良くても、方向転換にかなり力を要してしまう。
(前または後輪を持ち上げて方向転換するか、無理やりズラす「スライド?」しか方法はない)
逆に「遊動」は簡単に方向転換できても、なかなか安定して真っ直ぐに歩けない・・・

・・・という、一長一短の欠点がある所です。

・・・と、いうことはつまり・・・基本的には・・・・
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腕力が比較的残されていて、屋外に買い物に良く行く方には「固定」が良いでしょうし、
腕力・体力があまりなく、身の回りを中心に移動される方には「遊動」が良いと思います。
両方(例えば、腕力は無いけど屋外歩行が多いなど)該当して、判断に困ったときは、
片方「固定」にして、もう片方を「遊動」にするという方法もあります。
(実は、多くの旅行用トランクは1つのキャスターのみ「遊動」にされています。)

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・・・以上が、セッティングのコツだと考えます。

「シルバーカー」を使っている方を見かけたら、一度セッティングしてあげてみて下さい。
「遊動」「固定」できることすら知らずに使っている方が殆どですので、上手くいけば
感謝されると思います(余計なお世話にならぬよう、必ず合意の上でやりましょう)。
セッティングが上手くいけば、自立度が上がり、事故の危険性は減ると思います。




                                    (介護型リハビリシステム研究所)