その他の環境整備【438】
下肢装具の不具合A
〜限界を超えた応急補修〜
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前回、たまたま歩行状態を見かけて気になり、
チェックさせていただいた支柱付き短下肢装具。
左右の動きを抑えるベルトも、前後の動きを
抑える(コントロールする)金具も全く意味がない
状態でした。
スペアの装具もなく、通所ご利用の方なので、
この装具で何とか帰宅しなくてはなりません。。
仕方なく、その場で一時的に応急補修を行う
ことになりました。
⇒ 参考程度で、真似はしないで下さい。
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【本来は使用してはいけない危険な状態の例】
@ A
@Y(T)字ストラップの限界摩耗 A鐙(あぶみ)のパックリ割れ
⇒@は足首が外側に逃げてしまい、足底も浮いてしまいます。
⇒A金具によるつま先上げが効かず、同時に膝折れが起こります。
こうなる前に担当スタッフは普段からきちんとチェックする必要があります。
スタッフ管理の甘さというか・・・自分自身も反省していますが、
この認識が全国レベルでなく、当施設だけであることを切に願います・・・。
【対応】
当日、ご本人とリハスタッフには直ぐに作り替えることを念を押した上で、
その場限りの補修を行いました。
↑問題のストラップです。このままでは全く貼りつきません。
よく使うストラップこそ早く痛みます。そのままの放置は「×」です。
装具屋さんなら簡単にベルトごと綺麗に交換してくれます。
⇒ただし、工場に持ち帰るため1週間は預けることになります。
------仮復活処置開始------
↑カッターを使ってマジックベルト縫い付け部分を切り取ります。
↑毛羽が残っている(生きている)部分だけを切り取りました。
↑下の使えない部分にずらしてボンドで貼り付けます。
ボンドだけでは簡単に剥がれてきてしまうので・・・。
↑端の部分(剥がし始めに、一番引っ張る力がかかる部分)に
穴を開けます。
↑穴の部分にカシメの凸部分を押し込んで・・・。
↑凹部分を被せ・・・。
↑叩き潰して固定します。
↑とりあえずベルトは締まるようになりました。
↑横方向は安定しましたが、縦方向の問題が残っています。
↑このままでは歩行時に底屈状態になってしまいます。
↑そのためダブルクレンザックをギリギリまで背屈位に調整しました。
⇒画像のネジ凸部分で確認できると思います。
これで何とか安定性を確保することができました。
歩行チェックを行い、再度装具製作についてアドバイス(確認)して
スタッフと共に帰宅していただきました。
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装具は病院で医療保険でつくる方法と、
身障者手帳を使って自治体に申請する方法があります。
後者は時間はかかりますが、後々を考えるとおすすめです。
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●下肢装具のチェックは命にも関わります。
メーカーは製作日を見やすく記載するとともに、
耐用年数と連絡先を焼き付けるなどした方が良いと思います。
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リハビリシステム研究所
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