その他の環境整備【365】
装具の改造でQOLアップ
〜足趾に傷がある場合の対処〜
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今回は「サンダル」ではなく、「装具」の改造となります。
装具はサンダルとは異なり、かなり高価な履物なので慎重にやらないと
取り返しのつかないことになってしまいます。
ある日、通所ご利用の方から相談を受けたスタッフが相談に来ました。
相談内容は簡単には解決できそうにないもので、本来でしたら装具を
製作した業者に修理依頼すべきケースですが、処方してもらった病院や
訪問リハビリの専門家に相談しても取り合ってもらえなかったとのこと。
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【相談内容】
移乗時に、装具から凸となっている親指が物などに当たって痛い。
巻き爪になって治療を受けているため本当に困っている。
(そのため移乗動作そのものが怖くてなるべくやりたくないとのこと)
かなり困っているご様子で、とりあえず見せてもらいました。
「これはやはり業者さんにお願いしないと無理ですね・・・」と、
やんわりお断りしようとしたところ、逆に懇願され引き受けることに。。。
↑まずは、靴下を外して当たり部分をチェックします。
痛々しい、包帯を巻いた状態の指先が確認できます。
↑たったこれだけの出っ張りではあるのですが、
移乗時に少しでも爪に当たると相当な激痛が走る様子で、
ADL/QOLにかなり影響を及ぼしているようでした。
これは・・・やはり、なるべく早急に何とか対応しなくてはいけません。
しかし、病院でも装具店でもないため目ぼしい材料は殆どありません・・・。
とりあえず、ご本人にご了解を得て「改造を試みる」ことになりました。
探す(必要な)材料・素材としては、
「適当な凸具合で邪魔にならず」、「見た目が自然」、
「簡単には壊れない」、「安全に使える」 ものになります。
↑散々あちこち探し回って、最終的に靴の中敷きをカットした余りを使うことに。
丸で囲んだ部分を切り取って使用します。
既に切り取った後なので、形状はご想像ください。
↑マイナスドライバーで靴の隙間をこじって無理やり広げます。
↑切り取った中敷きを裏向き(黒色)にして、隙間に差込み接着します。
↑その後、重たいものを乗せてしばらくの時間、圧着されるのを待ちます。
(前々回、紹介したスタンディングテーブルのキャスターを拝借中・・・)
↑このように仕上がりました。
ご本人も大変満足されて帰られました。
【その後・・・】
約1か月後、ご本人に確認しましたが、
「すごく調子良いです♪」と笑顔で答えられていました。
良かったです!!! (*⌒ヮ⌒*)
↑本来はこのようなことが起こらないよう、
国家試験に合格した専門職が採型・採寸・確認するようになっています。
また、処方した医師やリハビリ専門職もチェックに関わると思います。
もし装具に不具合が出ましたら製作に関わった専門職にご相談ください。
介護型 〜システムでよりよい未来へ〜
リハビリシステム研究所
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