野田区だんじりの由来


・昭和4年10月に露口氏野田青年会会長に就任(当時31才)。

・昭和5年10月の秋祭り終了後地車新調のことが話題になる。

・昭和6年9月、岸和田祭りが終了後野田青年会の総意を代表して山内浅吉区長、
 坂口繁三郎区長代理に地車新調を正式に申し入れ。

 区長は、早速役員会議を開催して協議して頂きました結果、新調は無理で、
 現在の地車を修理するようにとの解答がありました。

 青年会の総会で報告した結果、青年会としては修理に反対であくまで新調を要望、
 再々に渡って協議したが、纏まらず野田区の役員会有力者の合同会議で意見を
 決定する事になりました。

 野田区青年会々館(JR鳳駅前の「ケニアー」の所にあった青年会館の2階)で
 開催され、会議には露口氏、山内時雄氏が出席して、地車新調の意見を述べました。

 会場の周辺は青年で一杯となり露口会長の意見発表の時に場外から激励の声援が
 どよめくと言った状態で深夜に及ぶ会議の結果野田区の総意として新調する事に
 決定しました。
 その時の青年の喜びの歓声は形容できない程で今も思い出されるとの事でした。

・その後の協議の結果区役員は高齢のため地車の新調事業全般を青年会で実施する
 のが適当であるとの結論から委員会を結成して実施することになりました。
 委員長  露口 籐吉
 副委員長 山内 時雄
 会計   山内 重太郎・辻尾 勝
 会計監査 西井 定雄・大道 岩雄
 幹事   山内 義三・大道 音松・泉谷 宇之松・春木 与三郎
 委員   北出 稔・大道 由太郎・西井 末太郎・西尾 佐一・露口 又一・西井 惣太郎・
      小路山 清太郎・西井 保太郎・山縣 定次郎・東野 仙太郎・西井 兼次郎
 相談役  坂口 久吉・山尾 留吉
 以上が委員会の構成です。

・委員会で協議の結果昭和6年度の秋祭り地車曳きは中止して各委員が分担して
 各地のお祭りの地車を見て廻った結果、各人の意見を発表して何処の地車を参考に
 して新調するか決定する事に致しました。
 各地の祭礼後、報告検討会の結果当時新調された泉大津市田中町の地車を見本に
 する事になりました。

・大工棟梁の選考については野田区地車新調の噂が伝わって、
 (1)住吉の大佐棟梁
 (2)岸和田の絹屋棟梁
 (3)岸和田の植山宗一郎棟梁
 の三ヶ所から引き合いの話が来ました。
 選考として
 (1)大佐は近年新調した実績が無く良い彫り師がいない。
 (2)絹屋は岸和田一番の棟梁であるが新調までに2〜3年かかると予想される。
 (3)植山は新しい棟梁であるが1年で作れて良い彫り師が居り近年に田中地車ほか
    新調経験もある。

・審査については、委員会で協議の上、植山棟梁に発注することを決、
 昭和6年10月11日に植山棟梁宅を役員が訪問。
 下記の条件で発注しました。
  1.泉大津市田中町を見本とし、少し縮小する。
  2.大屋根、小屋根の正面獅噛は入念に彫ること。
  3.大屋根正面額は鷹と猿とする。
  4.大屋根、小屋根正面懸魚は大鳥大社にゆかりのある物とする。
  5.小屋根3枚板は賎ヶ獄の合戦とする。
  6.ネコ、土呂幕、その他の彫刻はその都度双方で協議して決め、何れの彫刻も
    原木を見てから彫刻等を決めること。
  7.彫刻責任者は京都の吉岡義峰師・助人は近江上丹生の森曲江師とする。
  8.昭和7年9月中旬までに必ず竣工すること。
 以上の条件で地車本体の契約金額3,500円と決まりました。

・募金係は寄付の要請に一斉に活動を開始し、植山棟梁は原木の準備からかかって
 昭和7年1月から彫刻が始まり露口委員長は私費で電車の定期を購入して、
 各委員は回数券を利用して岸和田へ連日訪れました。
 彫刻は、正面懸魚を天の岩戸、後正面懸魚を素 鳴尊大蛇退治と決定し
 舛合、虹梁、土呂幕、等の決定の為に露口委員長、植山棟梁、吉岡義峰氏とで
 北河内、摂津、神戸方面を何度も見て歩いて参考にしながら進めて参りました。

・昭和7年9月16日契約通り竣工して地区の皆様の盛んな歓迎の中を岸和田から
 曳行して持ち帰り大鳥大社氏神の神前で竣工入魂式を行い新調事業が完了いたし
 ました。
  地車新調経費概算
  ( )内は、地車倉庫640円を2,000万円と仮定した換算金額です。
    3,500円(1億1,000万円) 地車本体新調代
      380円(  1,200万円) 彫刻割増金
      220円(    700万円) 金物紋入代
       50円(    160万円) 高欄・縁板他
       80円(    250万円) 金網代
      350円(  1,100万円) 金網(水引)
       80円(    250万円)  々 熊毛耳引幕
      640円(  2,000万円) 地車倉庫再建築、シート代
      100円(    300万円) 地車竣工式諸経費
   計5,400円(1億6,900万円) 昭和7年当時

(野田区の地車を新調した時の経過につきましては、露口籐吉様より、当時の記録、
 資料等を頂きました。記述は、前区長 松若氏です。)


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