ラジオ「夕日のかなたに」1999年7月11日放送分

 

光の結ぶ実

 

 こんにちは。夕日のかなたに、札場義宣です。

 7月も初旬を過ぎ、いよいよ夏の陽射しを感じる時となりました。陽射しとは、

もちろん日光のことですが、これは光の集合ですよね。少しこじつけっぽいです

が、聖書には「光」ということばが何と500回以上も出てくるのです。

 

 そこで、今日の聖書のことばは、「光」という言葉が3回も登場する箇所です。

新約聖書エペソ人への手紙5章8節、9節。

「あなたがたは、以前は暗やみでしたが、今は、主にあって、光となりました。

光の子どもらしく歩みなさい。・・光の結ぶ実は、あらゆる善意と正義と真実な

のです。・・」

「光の結ぶ実」、それは「善意、正義、真実」だと聖書は言っています。

 

 ところが僕は最近、「善意」じゃなくて「悪意」の塊のようなものに出会いま

した。それはですね、コンピューターウイルスです。コンピューターウイルスと

いうのは、誰かのコンピュータープログラムやデータベースに対して意図的に何

らかの被害を及ぼすように作られたプログラムのことです。突然音楽を演奏した

り、異常なメッセージや画面を映し出したり(突然画面が真っ暗になって花火が、

というものもありました)、使っている人には予想もできないような動作をコン

ピューターにさせます。また、今年の始めに話題になった「メリッサ」と呼ばれ

たウイルスのように、コンピューターの中のデータやファイルを勝手に全部消し

たりする、とんでもない悪事をしでかすものも増えてきています。

 

 このコンピューターウイルスは自然発生するわけではなくて、だれかがどこか

で作っているプログラムなんですね。事実「メリッサ」を作った人は逮捕されま

した。そこには冗談ではすまない悪意が満ちてきています。僕のコンピューター

もいくらかの被害を受けました。

 

 光の結ぶ実が「善意と正義と真実」だとすると、暗闇の結ぶ実は「悪意と不正

義と不真実(偽り)」だと言ってよいでしょう。大体、悪いことというのは闇の

中で、隠れたところで行われるものです。政治の世界でも、経済界でも、残念な

がら教育界でも、隠れた所で、この暗闇の実が結んでいるのではないでしょうか。

そしてその主役は人です。全ての人が「悪意」を抱く可能性があります。それは

全ての人が「罪の根っこ」を宿しているからです。聖書には、全人類に罪が入っ

ており、「悪に走るのが速い」と書かれています。「善意と正義と真実」の実を

結ぼうと努力しても、「悪意と不正義と不真実(偽り)」という実が、心の中に、

生活の中に、社会の中に、人生の中に、あまりにも多く結ばれているのが現実で

す。

 

 さて、実はコンピューターウイルスへの対策としては、「ウイルス」が潜んで

ないかチェックし、発見し、そして駆除するためのコンピュータプログラムがあ

ります。病気の場合と同じで、そのようなプログラムは「ワクチンソフト」と呼

ばれていて、何種類か市販されています。僕も慌てて導入しました。

 

 同じように、私たち、人間のための「ワクチンソフト」を神様は用意してくだ

さいました。先に読ませていただいた聖書の言葉にこう書かれていましたね。

「あなたがたは、以前は暗やみでしたが、今は、主にあって、光となりました。

光の子どもらしく歩みなさい。」

 どんなに努力しても暗闇の実が多い私たちも、主イエス・キリストに出会うな

らば、暗闇から光へと移されるのです。イエス・キリストは「わたしは世の光で

す」と言われました。このイエス様と共に「光の実」を結びながら歩むよう、聖

書は勧めているのです。

 

 今日一日を振り返って私たちはどのような実を結んできたでしょうか。善意の

ある言葉と態度で過ごせたでしょうか。正義に裏付けられた歩みだったでしょう

か。真実な偽りのない生き方ができたでしょうか。今、神様の前に静まり、悔い

改める点は悔い改め、キリストの助けを求めましょう。一言お祈り致します。

 

「天の父なる神様、あなたは私のすべてをご存知です。過ちの多い者である事も

ご存知です。今、あなたの前に罪の赦しを求めます。そして私を、私の家族をイ

エス・キリストにある光の生活に導いてくださいますようにお願い致します。ど

うか私の人生において、光の結ぶ実が多く残されますように。イエス・キリスト

のお名前によってお祈り致します。アーメン。」

 

 今週、善意の心で満たされますように。それではまた来週まで。さようなら。

 

*実際に放送されたものに若干加筆修正しました。

 

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