ラジオ「夕日のかなたに」1998年11月29日放送分

 

人生は片道切符(1)

 

こんにちは。「夕日のかなたに」札場義宣です。

1年がたつのは本当に早いものですね。もう明後日には今年のカレンダーも最後

の1枚となります。タイムマシンでも発明されない限りは、時間はただ一方向に

過ぎて行くだけです。私たちの過ごした時間も一日一日も一つの方向に向かって

いくだけで、やり直しや後戻りはできません。そこで今週と来週は、「人生は片

道切符」というタイトルでお話したいと思います。特に今週は「聖書が示す歴史

観」についてお話しします。歴史観というのは、歴史をどのように捉えているか、

ということです。これは非常に大切なことです。歴史観によって人の人生は変わ

ってくるのです。

 

皆さん、聖書の書き出しのことば、スタートのことばは何かご存知でしょうか。

それは「初めに、神が天と地を創造した。」(創世記1章1節)ということばで

す。この世界、宇宙の歴史が始まった、歴史がスタートしたという宣言ですね。

また、聖書にはこんなことばも書かれています。「この天地は滅びさります。」

(マタイの福音書24章35節)つまりこの世界の歴史に終わりがあるということで

す。聖書が示す歴史観は、「初め」と「終わり」がある、直線的な歴史観だと言

えるでしょう。マラソンでいえばスタートとゴールがあるのです。この聖書の示

す直線的な歴史観を持って生きるなら、次の3つの点で有意義な人生を送ることが

できます。

 

一つ目に、確信、土台のある人生を送ることができます。人はどこから来て、ど

こへ行くのか、これは人生最大の難問です。しかし、聖書が示す直線的な歴史は、

あなたのルーツを教えてくれます。それは神様があなたを、この時代にこの場所

に生きるように備えられたということです。決して偶然ではない、あなたの人生

のルーツは神様の愛のご計画にあるのです。残念ながら、両親の顔を見ることの

できなかった、そのような人生を歩まれている方もおられるかもしれません。で

も、覚えて下さい。神様があなたのルーツです。前世の、前世の何がしかがあな

たの人生のルーツではありません。あなたの人生は偶然にあるのではないのです。

神様が私たちを造り、生かしておられます。確かに人生は片道切符です。そして、

人生も歴史もスタートは神様の手にあるようにゴールも神様のもとにあります。

このことを確信して歩むならば、あなたは裏づけのある土台のある人生を送るこ

とができます。

 

二つ目に、聖書の示す歴史観を持つならば、生きがいのある人生を送ることがで

きます。歴史は直線的で、ぐるぐる回っているのではありません。循環している

のではないのです。ですから、来世の自分のために生きているのではありません。

あなたにはあなたにだけ与えられている人生があります。これは一度きりです。

他の人はその替わりをつとめることはできません。あなただけがあなたの人生を

楽しむことができるのです。あなたは神様にいのちが与えられて生きています。

このいのちを神と人のために用いて生きていきましょう。そのために生かされて

いるのです。無意味に生きているのではありません。目的にかなった行き方をす

る時に、生きがいのある人生を送ることができます。

 

さて最後に、聖書の示す歴史観を持つならば、希望のある人生を送ることができ

ます。ちょうど今日は11月29日日曜日、伝統的なキリスト教会の暦ではアドベン

ト第1週です。多くの教会では礼拝でろうそくを1本灯したことでしょう。そし

て、ちょうど4週目、ろうそくが4本灯される頃は、クリスマスの週です。アド

ベントが始まったということは、キリストが来られた、そのクリスマスを待ち望

むシーズンが始まったということです。神様はこの直線的な歴史の真中にキリス

トをこの世界に遣わされました。皆さんご存知の通り、現在の暦はキリストの誕

生を基準に、紀元前、紀元後となっています。キリストの誕生はこの直線的な歴

史の性格を決めるものです。私たちの歴史は、実は見れば見るほど争いと欲望に

満ちた、罪の歴史です。しかし、キリストは救い主として来られました。十字架

上ですべての歴史上の罪の清算をされました。そして墓に葬られましたが、3日

目に死を打ち破られたキリストは、この歴史を救いの歴史に変えられました。聖

書の示す歴史観は実は救いの歴史なのです。あなたの人生の真中にもキリストを

迎え入れるならば、あなたの人生は救いの人生へと変えらえます。歴史のゴール

も人生のゴールも恐れる必要はなくなります。キリストによって希望があるので

す。

 

あなたの人生に今日希望の歴史が始まり、土台のある生きがいのある人生を送ら

れますように、今、ひとことお祈りいたします。「天の父なる神様、キリストに

よって新しい歴史が始まっていることを感謝します。私の人生の歴史にも今キリ

ストをお迎えします。土台のある生きがいのある、希望のある新しい歴史を私の

内に始めてください。イエス・キリストのお名前によってお祈りいたします。ア

ーメン。」

来週は「人生は片道切符」の第2回目、聖書が示す正しい終末(世の終わり)へ

の備えについてお話します。それでは、神様の祝福が今週も皆様の上にあります

ように。

 

*実際に放送されたものに若干加筆修正しました。

 

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